雪の降る日に捨てられた悪魔 (ページ11)

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指を噛み少量の血を出す。

痛みを堪えながらその血で羊皮紙に丸を書く。

その後揺れるロウソクの火にで羊皮紙を炙り、契約は完了される。

眩い光とともに私の側へ降り立ってきたのは

A「ドールドーラ」

フランス人形のような風貌の、一説では妖精の一種のにも数えられる“ドールドーラ”という名前の魔獣だった。

フランス人形に魂を吹き込んだような、見慣れない従魔に周りも少なからずざわめきたつ。

このレベルの従魔なら兄さんにも堂々と見せることができる。

こちらを眺めるイルマさまに向かってピースを送りながら声をかける。

A「次はイルマさまの番ですよ」

頑張って、と送り出す。

イルマさまはオズオズと前へ出た後指を噛み、羊皮紙に血をつけた。

その辺りであろうか、イルマさまは突然顔を柔らかく緩めて、気の抜けたような笑顔を浮かべた。

なるほど、余裕の微笑みってわけか。

興味深く観察していると、例に違わず眩しい光が当たりを照らす。

思わず閉じた目を開け、魔法陣を見てみればそこに登場した魔物は＿＿＿

A「カルエゴせんせ⁉︎」

…そう言えば、召喚とは悪魔が魔獣を呼び出し自らの使い魔とする儀式。

では、イルマさま(人間)とっては？

イルマさまにとって召喚は、“悪魔”を呼び出し使い魔とする儀式だ。

そして羊皮紙にはカルエゴ先生の印が入っている。

つまり、これは偶然では無く必然だ。

A「かわいい」

使い魔となったカルエゴ先生は非常にもふもふで、ふかふか。

素晴らしく可愛らしい風貌だ。

私は目の保養、と歓喜したが先生にとっては絶望のようだった。

その場で倒れ、寝込んでしまった。

アスモデウス・アリス使い魔獲得：ゴルゴンスネーク

A使い魔獲得：ドールドーラ

鈴木入間、使い魔獲得：ナベリウス・カルエゴ

私たちの学園生活は順調に進んでいた。