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Aside


その日は渚ちゃんの家で泊めてもらって次の日、家に帰った。



玄関を開けると玄関には靴がふたつあった。


旦那のいつもの革靴と見たことの無い赤いハイヒール。


まさか、なんて思った。


リビングへ進むと脱ぎ散らかしてある服。

それは旦那のものだけじゃなくて、女の人の服が沢山ちらばっていた。



寝室を覗くと眠る旦那と知らない女の人。
その女の人は起き上がって私に微笑んだ。


知らない女の人なんかじゃなかった。
その人はチーフマネージャーだった。
私が一番尊敬していた人で胸が痛かった。



「なんで…ですか……?」


チーフ「まさか、ほんとに気づいてなかったの?鈍感にも程があるよ〜」


そう嘲笑って私を見つめたチーフマネージャー。


旦那が目を覚まし焦った表情をした。


旦那「A…」


「理由なんてないよね…?さようなら……」


そう言って結婚指輪を投げつけた。


旦那「待てよ…!」


大声でそう言って追いかけてきた旦那。


「服きたら…?……クソ旦那だったけど…愛してたよ…殴られても好きだったよ……」


旦那「ごめんな……」


「お幸せに…」



私はそれから外に飛び出して渚ちゃんの家に戻った。




渚「言えた?」



「…不倫してた…チーフマネージャーと……」


笑っているけど目からは涙が止まらなくて、優しく抱きしめてくれる渚ちゃん。



渚「辛かったね…」



渚ちゃんは私の目の前に離婚届を出してきた。



渚「書きな?」



「なんで…?」


渚「私バツイチなの、離婚してやろうと思ってこれ貰ってきたら向こうから持ってきてさ〜、これ、必要なくなったから!あげる!」


優しく微笑む渚ちゃん。

渚ちゃんだってその時1人で辛かったんだろうな…


私は優しく渚ちゃんを抱きしめた。


「辛かったね…」


渚「なに…泣けてくるじゃん……」


私たちは抱きしめあったまましばらく泣き続けた。
そして離婚届を記入する。


渚「私も着いていくから」


そして家に戻って旦那に離婚届を置いていった。


「さよなら」


そう言い残すと腕をつかんだ旦那。


渚「これ以上つきまとうようならいままでの暴力も全部訴えますよ」


渚ちゃんがそう言うと旦那はすぐに手を離した。
そして離婚届を黙って書いて私に渡した。



「幸せになってください。」


チーフ「ありがとう〜Aさん」


ヘラヘラと笑いながら私を見るチーフマネージャー。


悔しかった。こんな女に取られて

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- セイヤさんすこ (2021年3月7日 21時) (レス) id: 3b6429b52f (このIDを非表示/違反報告)
ばな - もうほんとに素晴らしかったです...!!!何回でも読み直したいって思っちゃいました!!! (2020年9月6日 13時) (レス) id: dab9b2b7ba (このIDを非表示/違反報告)

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作者名: | 作成日時:2020年2月20日 1時

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