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時を超えて 58 ページ32
「彩おかえりー」
「おかえり！彩兄ちゃん！」
変わらない笑顔で迎えてくれるみんな。
「ただいま」
「まさか、彩が皇子様だったとは」
「俺やってびっくりやわ！」
そうは言っても何かしら自分は国に関係する人物である事は、知っていた。
背中に気になるものがあるから。それでもみんなには、気づかれないように隠し通してきた。
魔法を使えばそれだって消せる。
「彩兄ちゃん、皇子様とかかっこ良すぎ！」
どうやら、二人はすでに子供達に話しているようだ。
なんだか照れくさくて、彩は夢莉の頭をくしゃくしゃっと撫でる。
「良かった」
「ん？」
「へこんでるかと思ったから…」
「いや、皇子ってのは全然そんな感じしないし驚いてるんだけどさ。
まぁでも、俺は大丈夫」
「そっか」
「おう！」
そう言って彩は、カレーライスを口にかきいれた。
(やっぱり、由依の手料理は美味しいや…)
真実を知ってしまっても、俺にはこの子達がいてこの二人がいる。
守らなければならないものがある。
でも思うんだ。
もし、自分が記憶喪失になって悲しんで、苦しんでいる人がいるのかなって
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作者名：ハル | 作成日時：2017年1月2日 19時
