渋い顔 ページ6
「それじゃあ世崎さん、話してもらいますよ」
「んー？何の話？」
「世崎さんとオリオンの関係です。忘れたとは言わせませんよ」
どうやら以前に話した事、覚えていたようだ。
別に隠すようなことでもないが、さてどこから話したものか…。
「アタシ、孤児なのよ。身元はオリオン財団にあるわけ。
オリオン財団の支援とか受けながら孤児院で育ってたんだけど
前の理事長さんの理念に基づいたサッカーチームが作られたのよ。それがα。
んで、アタシ運動神経良かったしサッカー得意だったからαに入ったってわけ」
だから、深い関係っていうかなきゃ死んでたというか…
そう言うと、思っていた答えとは違かったのか、野坂君は渋い顔をする。
「んふっ、そんな顔しないでよ」
「…すみません」
「別にいいけどね。けど一応言うとαは八百長なんてしたことないよ。そういう指示も来たことないし」
「いえ、それは分かってます」
野坂君はキッパリ言うと、神妙な顔で謝った。
「すみません、嫌な話題でしたよね」
「全然、少なくともアタシとαに後ろめたいことなんてないもん」
そう言い切ると、野坂君はアタシの手を握って頷いた。
「それなら、αの潔白のために"僕と"一緒に戦いましょう」
「うん、皆で頑張ろうね」
野坂君は何故か、微妙に渋い顔をしながら笑顔で頷いた。
そして決勝戦当日。
皆の士気は最高潮。
「今日勝てば世界に行くのかぁ…勝てると良いね」
「…はい」
「アタシも試合出たいから監督にお願いしとかなきゃ」
「…はい」
「一緒に試合出たいもんね…って光君、聞いてる？」
「聞いてますけど…何で抱きしめてるんですか!?!?」
アタシは光君をよしよしと抱きしめながら話していた。
どうやらそれが不服らしい。
「だってえ、こーんなカワイイ後輩出来たの初めてなんだもん！」
αの後輩はレギュラー奪う気でくるからガツガツしてるし、すぐ揚げ足取ってくるし…
そう遠い目をしてると光君があわあわと赤くなりながら離れようとする。
その様子を見ていたヒロト君が目を吊り上げながらアタシ達を引き剥がす。
「ベタベタしてんじゃねぇよ！」
「ふふん、ヒロト君。嫉妬は醜いよ？」
「ちげぇよ！！！」
わちゃわちゃしながらようやく出発しようとすると、久遠コーチが待ったをかけた。
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むめい(プロフ) - シナモンさん» ありがとうございます！私も書いていて楽しい回でした！ (2月16日 20時) (
レス) id: 080d3d10ab (このIDを非表示/違反報告)
シナモン(プロフ) - 壮行会のところめっちゃおもしろかったです!続きを楽しみに待っています!がんばってください。 (1月16日 19時) (レス) @page27 id: 52a06b9707 (このIDを非表示/違反報告)
むめい(プロフ) - 歌姫さん» ありがとうございます！ちょっと行き詰まってたので励みになります！ (11月21日 22時) (レス) id: 080d3d10ab (このIDを非表示/違反報告)
歌姫 - いつも楽しみに読んでます。これからも頑張ってください (11月13日 23時) (レス) id: 0734f30b1c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：むめい | 作成日時：2023年10月26日 23時
