素直じゃないなぁ ページ39
次の日。
お日さま園から去り朝一の便に乗ったアタシ達は空港にいた。
「ふぁ、ちょっと眠いかも。夜ふかししすぎたわ」
「顔の治安が悪くなっているぞ」
「砂木沼君て結構失礼だよね」
隊列を組んで学年順に飛行機に乗り込んでいく。
ヒロト君の後ろにアタシがいたのだが、ヒロト君が突然止まる。
アタシは背中に激突する。
後ろにいた一年生も止まることになる。
「ヒロト君どうかした？」
「…いや…」
言葉を濁すヒロト君は進もうとしない。
このままでは乗り遅れるため無理矢理押し込む。
顔色が真っ青だが、体調が悪いのだろうか。
あまり無理はしないように見張っておこう。
そして飛行機が飛び立つ。
明日人君達、雷門組は大喜びで窓から景色を眺めている。
正直飛行機なんて数え切れないほど乗っていたアタシは寝ようかと思ったが、隣に座ったヒロト君の震えが気になり、横を向いた。
「大丈夫かヒロト？」
「何の問題もねぇ…」
「震えてんじゃん」
「これは…せ、世界を前にした武者震いってやつだ！」
ヒロト君は高所恐怖症のようだ。
これからまだまだフライトは続くが、大丈夫だろうか。
そう思っていると機体ががくん、と傾く。
ヒロト君は大きな悲鳴を上げて基山君に抱きついた。
「ヒロト君…」
「はっ、べ、別に飛行機が怖いわけじゃねぇからな！」
「何も言ってないけど」
確定だね。
はあ、とヒロト君にバレないようにため息をつき、体をヒロト君の方に傾け手を取る。
「なーんか怖くなってきちゃった。ヒロト君が手繋いでくれたら怖くないかもなんだけど」
「…ふ、ふん。仕方がねぇな。まあ、俺様は怖くねぇけどな？世崎がそう言うなら繋いでやらなくもねぇ」
「はいはい」
まったく、素直じゃないんだから。
手をつなぎながら過ごしていると、帽子の…万作君が声を上げる。
「美味しい押し寿司があるんだ。食べないか？」
「おしずし？何それ」
「寿司の名前だよ。知らねぇのか？」
「そういやロシア出身だもんね、世崎さん」
その後も、剛陣君のお父さんが作ってくれたさつまあげとやらを食べたりと穏やかな時間を過ごしていると、飛行機のアナウンスがかかった。
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むめい(プロフ) - シナモンさん» ありがとうございます！私も書いていて楽しい回でした！ (2月16日 20時) (
レス) id: 080d3d10ab (このIDを非表示/違反報告)
シナモン(プロフ) - 壮行会のところめっちゃおもしろかったです!続きを楽しみに待っています!がんばってください。 (1月16日 19時) (レス) @page27 id: 52a06b9707 (このIDを非表示/違反報告)
むめい(プロフ) - 歌姫さん» ありがとうございます！ちょっと行き詰まってたので励みになります！ (11月21日 22時) (レス) id: 080d3d10ab (このIDを非表示/違反報告)
歌姫 - いつも楽しみに読んでます。これからも頑張ってください (11月13日 23時) (レス) id: 0734f30b1c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：むめい | 作成日時：2023年10月26日 23時
