お日さま園 ページ31
「世崎。お前行くアテあんのか？」
「残念ながら微妙…それで、何か素敵な宿でも教えてくれるのかな？」
「そんなとこだな」
声の主…ヒロト君は、ポケットに手を突っ込んだ不良スタイルでアタシに何とも魅力的な案を提案してくれた。
「俺ん家来るか？」
「え？」
「いや、俺の家っつーか、タツヤ達の家だけどな」
詳しく話を聞くと、基山君達はお日さま園という養護施設に住んでいるらしく、数日くらいなら置いてくれるそうだ。
「一星にも声掛けようかと思ってたんだけどよ。断わられちまってさ」
「そっか、じゃあデート回は無理か」
「は？」
「いやこっちの話」
アタシはそうして、ありがたくヒロト君達のお世話になることにしたのだった。
「本当に一緒に来ないの？」
「俺は用事があるので…」
「そっか、何かあったら連絡ちょうだいね」
「はい！ありがとうございます！」
光君は本当に用事があるらしく、残念そうだった。
こりゃデート回は次回にお預けですね。
最初、部外者を家に呼ぶのは抵抗があるのでは、と心配だったが、基山君曰く、
「お日さま園の子達はサッカーが大好きだから、世崎さんなら大丈夫だよ」
とのこと。
砂木沼君は、
「体力は温存しておくんだぞ」
と、謎の忠告を貰った。
若干の不安は出来たが、バスや電車を乗り継ぎ、ようやくやってきましたお日さま園！
「ここがお日さま園？随分大きいね」
「学校と併設されてるんだ」
「それって三人が通ってる永世学園？」
「そうだよ」
基山君は、久しぶりに家に帰ってこれたのが嬉しいのか、ニコニコとしている。
いや基山君基本的にずっとニコニコしてるか。
正直ドキドキしていたが、大丈夫そうだ。
お日さま園に入ると、まずここの責任者の吉良瞳子さんと、吉良星二郎さんの所へ案内された。
吉良星二郎さんは優しそうな人で、吉良瞳子さんは少し怖そうな人だった。
ちょこん、と正座をしたアタシの隣で堂々と胡座をかくヒロト君は、アタシを紹介してくれた。
「こいつが世崎」
「は、初めまして。イナズマジャパンの世崎Aです」
少し声が上擦った気がしたが、礼儀正しく挨拶できたのではないだろうか。
「貴女が世崎さんね。ヒロトから話は聞いてるわ。しばらくよろしくね」
「よろしくお願いします！」
こうして挨拶は滞りなく進んでいった。
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むめい(プロフ) - シナモンさん» ありがとうございます！私も書いていて楽しい回でした！ (2月16日 20時) (
レス) id: 080d3d10ab (このIDを非表示/違反報告)
シナモン(プロフ) - 壮行会のところめっちゃおもしろかったです!続きを楽しみに待っています!がんばってください。 (1月16日 19時) (レス) @page27 id: 52a06b9707 (このIDを非表示/違反報告)
むめい(プロフ) - 歌姫さん» ありがとうございます！ちょっと行き詰まってたので励みになります！ (11月21日 22時) (レス) id: 080d3d10ab (このIDを非表示/違反報告)
歌姫 - いつも楽しみに読んでます。これからも頑張ってください (11月13日 23時) (レス) id: 0734f30b1c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：むめい | 作成日時：2023年10月26日 23時
