デート回？ ページ30
痛いほどの強い意志は、アタシを不安にさせた。
「無理だよ。一人で決められない。鬼道君も手伝ってよ」
「俺は、ロシアには行かない」
思わず鬼道君の方を勢い良く向く。
冗談の類ではないようで、真剣な顔だった。
「何で？」
「イナズマジャパンの追加メンバーを選ぶことにしたんだ」
「一緒に来くれないの？アタシ、鬼道君とサッカーしたいよ」
鬼道君は答えてくれず、静かにアタシを見続ける。
「…分かったよ」
ようやく折れたアタシの言葉にほっとしたような顔をした。
しかしアタシはまだ納得していない。
「けど！絶対にロシアには来てよ！」
特に決勝戦には必ず！！
そう言うと、鬼道君はぽかんとしたような顔をして、少しだけ笑った。
「随分とイナズマジャパンの事、好きになったんだな」
「好き？」
「あぁ。最初はどこか距離を取っていたし、そんな事絶対に言わなかっただろう」
言われて初めてアタシはイナズマジャパンを見る目が変わっていることに気付いた。
確かに最初はすぐに負けると思っていたし、試合にだって出たくなかった。
けれど今では、サウジアラビア戦ではウズベキスタンでは防衛に出たり、中国戦では約束に反したスタメンを喜んだり…
「確かに、アタシイナズマジャパンの事大好きじゃん」
「素直だな」
「それ、アタシの取り柄ね」
二人で顔を見合わせ、くすくすと笑いあった。
次の日、アタシ達はミーティングルームに集まった。
「FFI開催地ロシアへの出発は二日後です。
イナズマジャパンの皆さんは海外の出発の前に、渡航手続きの書類提出を行ってきてもらいます」
「これから海外に出たら、さらに激しい戦いになるだろう。そのために学校に戻り今のうちに骨休めでもしてくるといい」
監督とコーチはアジア予選を勝ち抜いたご褒美と銘打って、アタシ達を学校に戻らせ、一時の休息を取らせることにしてくれた。
皆は喜んでいるが、アタシはどうしようかと頭を悩ませていた。
αはおそらくロシアに戻っているだろうし…つまり、アタシには行く場所がないのだ。
いやαが所有している宿舎に行けないわけでは無いが、一人で過ごすのはあまりにも味気ないだろう。
これは光君と二人でデート回でもお届けかな…と思っていると、声をかけられた。
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むめい(プロフ) - シナモンさん» ありがとうございます！私も書いていて楽しい回でした！ (2月16日 20時) (
レス) id: 080d3d10ab (このIDを非表示/違反報告)
シナモン(プロフ) - 壮行会のところめっちゃおもしろかったです!続きを楽しみに待っています!がんばってください。 (1月16日 19時) (レス) @page27 id: 52a06b9707 (このIDを非表示/違反報告)
むめい(プロフ) - 歌姫さん» ありがとうございます！ちょっと行き詰まってたので励みになります！ (11月21日 22時) (レス) id: 080d3d10ab (このIDを非表示/違反報告)
歌姫 - いつも楽しみに読んでます。これからも頑張ってください (11月13日 23時) (レス) id: 0734f30b1c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：むめい | 作成日時：2023年10月26日 23時
