杏奈ちゃん…！ ページ21
足がいつもと違った意味でスースーする。
ソワソワと辺りを彷徨っていると秋ちゃんがくすっと笑う。
「笑わないでよ！」
「ごめんなさい、可愛くって」
「かわいいって…秋ちゃん変わってんね」
秋ちゃんはどことなく変わっていて、完全にちんちくりんなアタシをかわいいと言った。
ドレスを決めた後、会場へ向かったアタシ達。
やはり女子だからかマネージャー+アタシは準備に手間取っていて、その間に男子達は着替えも終えたようだ。
「あっ、待ってAちゃん！」
「ん、つくしちゃんどうしたの？」
「これ！」
差し出されたのは可愛らしい髪飾り。
惑星のような飾りが中心についている。
「Aちゃんみたいだなって」
「さっきから思ってたけどさ、アタシのイメージ彗星で統一されてるよね」
「それはそうよ。だって貴女、『蘇った彗星』じゃない」
「それはキャッチコピー！てかそれも恥ずいし…！」
そもそも彗星は必殺技からついたあだ名であって、アタシに彗星要素は皆無だ。
つくしちゃんに髪を結ってもらい、男子達の待つ会場へ向かう。
階段の上から見ているからか、それともタキシードだからか、皆別人のように見える。
若干似合っていない人もいて面白い。
うーん、何て言うんだろう。なんか、こう…
「馬子にも衣装ってところかしら？」
そうそれ！
杏奈ちゃんの言葉で皆気づいたのか、一斉にこちらの方を向く。
ビクッと肩が跳ねるが、秋ちゃんに手を引かれて少しずつ階段を降りていく。
皆それぞれ自分に似合うドレスを着ていて、男子達はいつもと違う彼女達に顔を赤くしている。
「どうです？私達もドレスアップしちゃいました！」
「何か恥ずかしいな…」
少し照れている秋ちゃんは可愛らしいがそれどころじゃない。
数人からものすごい視線を向けられている。
ジロジロと、突き刺すような、まるで肌を焼かれるような気迫だ。
「皆さん、良く似合ってますよ」
「ありがとう…」
杏奈ちゃんが嬉しそうに頬を染める。
「ハッ！」
思わず二人の方を振り向く。
二人は気づいたのね…というような顔で頷いた。
分かる、分かったよ…！
杏奈ちゃん、恋する乙女なんだね…！
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むめい(プロフ) - シナモンさん» ありがとうございます！私も書いていて楽しい回でした！ (2月16日 20時) (
レス) id: 080d3d10ab (このIDを非表示/違反報告)
シナモン(プロフ) - 壮行会のところめっちゃおもしろかったです!続きを楽しみに待っています!がんばってください。 (1月16日 19時) (レス) @page27 id: 52a06b9707 (このIDを非表示/違反報告)
むめい(プロフ) - 歌姫さん» ありがとうございます！ちょっと行き詰まってたので励みになります！ (11月21日 22時) (レス) id: 080d3d10ab (このIDを非表示/違反報告)
歌姫 - いつも楽しみに読んでます。これからも頑張ってください (11月13日 23時) (レス) id: 0734f30b1c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：むめい | 作成日時：2023年10月26日 23時
