脱兎の如く ページ20
「待ってください！」
「いやいやいや無理無理無理！！！あんなかわいいヤツアタシには合わないって！！！」
全力疾走で来た道を走る。
申し訳ないが、パーティードレスは趣味じゃないんだ。
最初は大谷さんが追いかけてきたが、流石に無理があったのか、息切れしながら走っていた。
「だ、誰か〜！！世崎さんを捕まえてください〜！！」
「あはははっ！アタシの速さに叶うやつなんて早々いな…痛っ！」
「落ち着け」
少し上を見ると、そこには綺麗なお顔が。
引き攣った笑いを漏らす。
「あは…離してくれない?風丸君」
「大谷達の所に戻るぞー」
「嫌だァァァ！！！！」
完全に自爆だったが、運悪く風丸君に捕まってしまった。
にしても扱いに慣れ過ぎでは？
「もう逃げ出さないでくださいね」
「ハイゴメンナサイ」
正座で神門さんに怒られていると、大谷さんがいくつかのドレスを見繕ってくれた。
「これとかどうですか？」
「…ドレスとか良くわかんないから全部決めていいよ」
「自分の好きなものを選べば良いのよ」
木野さんが穏やかな笑顔で言った。
じゃあ…
「この…青いやつ」
「わあっ、可愛い！」
暗めの青を基調としたドレスで、裾に向かうに連れて白っぽくなっていっていて、袖は濃紺で少し透けていて、全体的にキラキラと光が星のように反射する、夜空のようなドレスだった。
「まさに彗星って感じですね！」
「ギャップがあって可愛いと思います」
「早速着てみましょう！」
好き勝手言われていることがかなり恥ずかしい。
赤くなっていると、微笑ましそうに笑われる。
「…ありがとう！秋さん！つくしさん！杏奈さん！」
やけくそで叫ぶと、大谷さんはダメージを受けたように胸を押さえた。
「⁉ごめん、やっぱり馴れ馴れしかった？戻したほうが良い？」
「いえ…不意打ちが…」
「不意打ち？」
「嬉しいってことよ。世崎さん…いえAちゃん、ずっと距離があった気がしたから」
秋さんは嬉しそうに笑う。
そっか、距離…
「…秋ちゃんって呼んでもいい？」
「ええ！ぜひ呼んで！」
ようやくマネージャーの皆と打ち解けられました。
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むめい(プロフ) - シナモンさん» ありがとうございます！私も書いていて楽しい回でした！ (2月16日 20時) (
レス) id: 080d3d10ab (このIDを非表示/違反報告)
シナモン(プロフ) - 壮行会のところめっちゃおもしろかったです!続きを楽しみに待っています!がんばってください。 (1月16日 19時) (レス) @page27 id: 52a06b9707 (このIDを非表示/違反報告)
むめい(プロフ) - 歌姫さん» ありがとうございます！ちょっと行き詰まってたので励みになります！ (11月21日 22時) (レス) id: 080d3d10ab (このIDを非表示/違反報告)
歌姫 - いつも楽しみに読んでます。これからも頑張ってください (11月13日 23時) (レス) id: 0734f30b1c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：むめい | 作成日時：2023年10月26日 23時
