壮行会とはなんぞや ページ19
光君は中身を確認するように言い渡され、観念したように青い顔でピルケースを開く。
中身は…
「うわっ!?」
謎のびよびよとした何かが光君の顔に命中した。
光君は驚きつつもピルケースの中から目を離さない。
アタシも一緒に覗き込むと、そこには
"気にするな、これでチャラだ"
と書かれた紙が入っていた。
「お前の事情は知っている。もう気にするな」
「皆さん、お初にお目にかかります。鬼道家執事の袴田と申します」
「えっ執事？？」
「なんだよ鬼道！ハラハラさせんなよ！」
円堂君がほっとしたように笑った。
「一星、これからはイナズマジャパンの仲間として、共に戦おう」
「…はいっ！」
光君は鬼道君の差し出された手を両手で取った。
「…丸く収まって良かったよ」
「そうだな」
「豪炎寺君、鬼道君が何するつもりが知ってたんでしょ」
「さぁ、何のことだかな」
鬼道君と豪炎寺君はグルだったようだ。
また和やかな空気が流れ始めたその時、
「皆さん！すぐこちらに着替えてください！」
大谷さんと神門さんがハンガーラックを押しながら走ってきた。
ハンガーにかけられているのはタキシードだった。
「これから、世界サッカー協会が用意してくださった、イナズマジャパンの走行会に向かいます」
「そーこーかい…？」
よく分からないが、要は船上パーティーをするらしい。
何で監督はいつも言うことが急なんだ。
アタシは一つのタキシードを手に取り、体に当てながら光君に聞く。
「どう？」
「お似合いです！」
光君に褒められて上機嫌でいると、神門さんから衝撃の一言が入る。
「…世崎さんは、私達と一緒に来てもらいます」
「ん？」
大谷さんの案外強い力に神門さんと引きずられていくと、別の部屋に入らされる。
その部屋には色とりどり、まさに女の子の夢と言っても過言ではないだろう…つまり…その…ドレスの山があった。
「私達はこの中から選びましょう！」
「たくさんありますね…」
二人が顔を輝かせている隙にアタシは…
「あっ世崎さん！」
逃げた。
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むめい(プロフ) - シナモンさん» ありがとうございます！私も書いていて楽しい回でした！ (2月16日 20時) (
レス) id: 080d3d10ab (このIDを非表示/違反報告)
シナモン(プロフ) - 壮行会のところめっちゃおもしろかったです!続きを楽しみに待っています!がんばってください。 (1月16日 19時) (レス) @page27 id: 52a06b9707 (このIDを非表示/違反報告)
むめい(プロフ) - 歌姫さん» ありがとうございます！ちょっと行き詰まってたので励みになります！ (11月21日 22時) (レス) id: 080d3d10ab (このIDを非表示/違反報告)
歌姫 - いつも楽しみに読んでます。これからも頑張ってください (11月13日 23時) (レス) id: 0734f30b1c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：むめい | 作成日時：2023年10月26日 23時
