ひとつの電話 ページ50
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「あ、お久しぶりです」
「ん、久しぶり。急に電話なんてどうしたんだよ、メッセージも絶えてたのに」
「どうしても、直接伝えたくて」
「俺が電話出て良かったね。時差のこと考えた?今こっち早朝だけど」
「ふふっすみません。起きてるかなーって」
「起きてたけどな」
「この前リリースされた曲、聞きましたよ。凄く格好良かったです」
「ありがとな」
「どんどん評価されていく度に、大学時代の事が、信じられなくて」
「一緒について行けば良かったって、後悔してる?」
「してませんよ」
「ごめんごめん、そんで直接言いたい事って?」
「えっと、この度は…」
「なんとなく分かってるから、早く言って」
「変わりませんね」
「カウンセラーだからな」
「そうでしたね。私、オッパと結婚します」
「ん。そうか、おめでとう」
「ありがとうございます」
「幸せって顔してる」
「え、カメラとか仕込んでないですよね」
「声だけで分かるよ」
「ふふっだから、忙しいとは思うんですけど、式に来てほしくて」
「いつ頃?」
「三か月先です」
「分かった、そんくらいなら大丈夫だと思う」
「招待状送りますね」
「どうも」
「あの時よく集まったメンバーも、全員揃うと思います」
「懐かしいな」
「ほんとに、楽しかったですよね」
「濃密な期間だったよ。…今は?何してんの?」
「私ですか?私は生物学研究所に所属して、実験の日々です」
「旦那も、大学で先生しながら研究してるって言ってたな」
「あ、まだ…籍は入れてないです」
「旦那で良いだろ。フィアンセ様って言った方が良い?」
「フィアンセ…」
「そんなんで照れんなよ、いつまで経っても初心だな」
「大人になったねって、綺麗になったねって、言われてるんですからね!」
「それは結婚式が更に楽しみになったわ」
「ほんと、意地悪なの、変わらないです」
「二人がとうとう結婚か、どうりで俺も年取る訳だわ」
「おじいちゃんみたいなこと言わないでください」
「最近身体バッキバキで、徹夜もあんまできなくなってきた」
「じゃあ、早く寝ないとですね。切りますね」
「おう、結婚式を楽しみに仕事頑張るわ」
「ユンギ先輩、改めて、ありがとうございました」
「何の礼だよ。またな、A。ホソギによろしく」
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あさなさな(プロフ) - pumpkinさん» たくさん読んでいただきありがとうございます!色んなホソクさんを楽しんでいただけたらと思います。なんとなく似てしまうのはご愛嬌笑 (9月11日 18時) (レス) id: 182cc2cbf3 (このIDを非表示/違反報告)
pumpkin(プロフ) - 本当にあさなさなさんの世界のホビ素敵すぎます。全作品読ませてもらってます。癒しの時間をいただいてます。素敵な作品をたくさんありがとうございます!! (9月8日 11時) (レス) @page50 id: 3dc2269bbe (このIDを非表示/違反報告)
あさなさな(プロフ) - 鹿さん» 長いのにありがとうございます!そう言っていただけて嬉しいです!こちらはもっと山あり谷ありですね笑 (8月10日 17時) (レス) id: 182cc2cbf3 (このIDを非表示/違反報告)
鹿(プロフ) - うわあ三日で頑張って全部読みました!最高ですね!こんなにリアルで切なさを描いた小説初めて読んだ気がします。 (8月10日 3時) (レス) @page50 id: 6f7661d487 (このIDを非表示/違反報告)
あさなさな(プロフ) - フネ55さん» 楽しくて悩ましい大学生活を描きたかったので、嬉しいです!微々たる供給ですが、楽しみにしてくださってありがとうございます! (7月23日 19時) (レス) id: 4d4d65fc30 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:あさなさな | 作成日時:2023年5月31日 17時