そんなふうに、見ないでほしい 6【HS】【TH】

294:残念会 ページ46

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次の年はボムギュとテヒョンが卒業した。
更に専門的な学校で、司法試験のための勉強に励むらしい。
ジミン先輩とソクジン先輩を呼んで、ボムギュとテヒョンの卒業祝いに集まった。


そして私は、少しでも長く好きな変形菌の研究をするために博士課程に進んだ。







ーーー


TH「え、一年経つのはや」



私は博士の一年目が終わり、テテ先輩は三年で卒業できなかった。
アメーバじゃなくて最近二人で行く事の多いバーで、残念会を開く。





TH「はぁ〜時間足りないよ。追加実験もめっちゃあるし…」




『一年ずれた事で、大学職員の良いポストが回ってくるかもしれませんよ』




TH「Aは最低でもあと二年はいるでしょ？」




『ストレートで修了できる自信はありませんが』




TH「一緒に卒業する？」




『どれだけ留年するんですか』




少しおどけて聞いてみたら、目の端の髪を耳にかけられる。




TH「だって俺ら、もう七年一緒にいるんだよ。寂しいじゃん」




『職場次第じゃないですか？』




TH「じゃあ俺が先にポスドクになったら、その大学の近くで就職してくれる？」




『え〜、そんな都合よくありますかね？』




TH「追いかけてきてよ」




『近くがあれば、です。どっちも就職状況厳しいじゃないですか』




TH「一緒に頑張ろうよ！」




『現実は難しいですからね〜』




TH「そうだね、自分で言っといて無理難題だ」




『叶えば奇跡的ですよ』




カウンターに置いた手に、するっとテテ先輩の手が重なる。




TH「それを叶えた暁には、一緒に住もうか」




いつかのように絡められる。
そこに更に重ねるように手を置いて、あやすようにトントン触れる。




『……えーっと、私たち付き合ってましたっけ？』




TH「もうほとんどそんなもんじゃん」




『ふふっほとんどって何ですか』




TH「ほとんどはほとんどだよ。付き合ってると同義」




解かれた手は私の腰を抱く。
テテ先輩の顔がぐっと近づいて、その視線が私の唇に落ちたのが分かった。

薄暗くて奥まってる、二人でいつも座る席。
けれどこんな雰囲気になった事は初めてだった。



少し傾けられて、ふわりと香る甘い香りに人差し指を置く。




『テテ先輩、ダメです』




指を外すと、目の前の唇は不服そうに疑問の言葉を零す。




TH「何で？お店じゃなかったら、いい？」




HS「お店じゃなくても、ダメ」


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