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新歓祭では誰も茶話会に来なかったが、授業に熱心な一年生の二人組を見つけた。
ヒュニンカイくんとチョン・ジョングクくん。
ほとんどの授業を隣の席で一緒に取っていて、変形菌にもかなり興味を持って、入部してくれた。
普段の授業の課題、卒論の準備、院試の勉強、粘菌研究会。
あの時のホビオッパとテテ先輩が、どれだけ凄かったのか今になってより理解できる。
けれど二人の後輩は凄く可愛くて、それは癒しだった。空きコマに課題を教えたりして、ちゃんと先輩ができてることに安心した。
気が付くと私の部屋は溜まり場に使われる事はなく、カイくんとジョングクくんの二人は、よくお互いの部屋を行き来しているみたいだった。
誘われたら行くこともあった。
梅雨恒例のイシクラゲパーティーも、テテ先輩たちとジョングクくんの家でした。
引退するはずの後期になっても私はB221に通っていた。
一年生だけになってしまうから、後期の活動を導く人が必要だし、二人が引き留めてくれたのも嬉しかった。
院試も無事に合格して、卒論も順調に進んだ。
大切な書類を書くとき、白いボールペンを使った。
充実した日々は楽しくて、だけどふと淡い寂寥を覚えた。
ーーー
とうとう学部を卒業した。
院生としての入学式を迎えた三月、テヒョンとボムギュが大学に戻ってきた。
そして後期にはナムジュナも戻ってくる。
粘菌研究会には頻繁に顔を出そうと思っていた。せめてナムジュナが戻ってくるまでは、誰か先輩がいた方が良いと思った。
bg「わぁああ〜懐かしい!お、初めまして。僕は法学部のチェ・ボムギュです。Aと同じlineです。兵役から戻ってきました」
th「お前凄いね。二人ドン引きしてんの見えてないの?」
bg「Aの後輩は僕の後輩でしょ?今度は僕が弟子を取る番だね」
『やめてよ、そもそも何を継承してるの?』
bg「えーっと、マジック?」
th「じゃあお前に教えられることは皆無だね」
何だか色々おかしなことになっている。
自分たちの部室なのに、法学部コンビに押されて小さくなってる新二年生の可愛い二人に、簡単な紹介をしてあげる。
th「二年いない間に増えた部員二人って面白いね」
『今年はこれからなんです。
この二人は精鋭部隊なんだから』
bg「カイヤとジョングガ、僕たちもともと月曜日は毎週ここでご飯食べてたんだけど、今年からまた混ざって良い?」
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あさなさな(プロフ) - pumpkinさん» たくさん読んでいただきありがとうございます!色んなホソクさんを楽しんでいただけたらと思います。なんとなく似てしまうのはご愛嬌笑 (9月11日 18時) (レス) id: 182cc2cbf3 (このIDを非表示/違反報告)
pumpkin(プロフ) - 本当にあさなさなさんの世界のホビ素敵すぎます。全作品読ませてもらってます。癒しの時間をいただいてます。素敵な作品をたくさんありがとうございます!! (9月8日 11時) (レス) @page50 id: 3dc2269bbe (このIDを非表示/違反報告)
あさなさな(プロフ) - 鹿さん» 長いのにありがとうございます!そう言っていただけて嬉しいです!こちらはもっと山あり谷ありですね笑 (8月10日 17時) (レス) id: 182cc2cbf3 (このIDを非表示/違反報告)
鹿(プロフ) - うわあ三日で頑張って全部読みました!最高ですね!こんなにリアルで切なさを描いた小説初めて読んだ気がします。 (8月10日 3時) (レス) @page50 id: 6f7661d487 (このIDを非表示/違反報告)
あさなさな(プロフ) - フネ55さん» 楽しくて悩ましい大学生活を描きたかったので、嬉しいです!微々たる供給ですが、楽しみにしてくださってありがとうございます! (7月23日 19時) (レス) id: 4d4d65fc30 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:あさなさな | 作成日時:2023年5月31日 17時