287:嘘つき ページ39
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HS「もう、最後にするから」
『や、やだっ、ひどいっ』
ようやく出た言葉は、幼稚でオッパを責める言葉だった。
HS「ごめんね」
『私オッパのこと、怒ってないです』
HS「そんなことないでしょ」
『好き、好きです』
HS「ごめん。俺のことは忘れて良いよ」
『忘れられません』
HS「ごめん。ごめんね」
『信じて待ってって言ったのは、嘘だったんですか？』
ようやくオッパが、言葉に詰まった。
HS「嘘じゃ、なかった」
過去形なんて、そんなのっ…
『嘘つき、嘘つき嘘つきっ』
HS「嘘じゃない！」
『嘘だ！私のこともう要らないんですね』
HS「違うよ、そうじゃない！けど…」
そのままオッパは黙ってしまった。
頭を冷やさないと。喧嘩をする為に来たんじゃない。
深呼吸して胸元におでこをくっつける。
『また私には、言えない事なんですね…』
HS「違うんだよ。本当に、自信がなくて。」
背中に回るオッパの腕は、少し震えていた。
HS「Aが自分の部屋に戻ってから何度も、何度も考えた。
どうしたらAが一番幸せか。
遠く離れて、またこうやって俺が間違ってしまうかもしれない。そしたら今よりも苦しめる。
そんなの、絶対に自分を許せない」
『大丈夫です。一緒に乗り越えていくんじゃないんですか？』
HS「怖いんだ。小さいころ両親の喧嘩ばかり見てた。そうはなりたくないって思っているけど、気づかない内に、取り返しのつかないほどAを傷つけてしまうんじゃないかって」
『ちゃんと話しましょう』
HS「…今回だってそう。分かってて、それでも言えなかった」
『オッパ…』
HS「Aの為とか言っておきながら、結局自分の事しか考えられていない」
『そんなこと、ないです』
HS「多分余裕ないし…何かあってもすぐに会えない。」
『そんな所に行っちゃうのはオッパです』
HS「ごめん。全部俺の都合だ」
『足手まといになりたくないです』
HS「そういう訳じゃ」
『別れたら、オッパの為になるんですね』
HS「っごめん…」
『日本に行ったきりで、研究者になるんですか？』
HS「五年で戻ってくるつもり…だけど俺の事は忘れて。俺に待っててって言う資格は、もうないから…」
『勝手に待ってます』
HS「ダメ、こんな俺のことなんて」
『オッパの弱音、珍しいですね』
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あさなさな(プロフ) - pumpkinさん» たくさん読んでいただきありがとうございます！色んなホソクさんを楽しんでいただけたらと思います。なんとなく似てしまうのはご愛嬌笑 (9月11日 18時) (
レス) id: 182cc2cbf3 (このIDを非表示/違反報告)
pumpkin(プロフ) - 本当にあさなさなさんの世界のホビ素敵すぎます。全作品読ませてもらってます。癒しの時間をいただいてます。素敵な作品をたくさんありがとうございます！！ (9月8日 11時) (レス) @page50 id: 3dc2269bbe (このIDを非表示/違反報告)
あさなさな(プロフ) - 鹿さん» 長いのにありがとうございます！そう言っていただけて嬉しいです！こちらはもっと山あり谷ありですね笑 (8月10日 17時) (レス) id: 182cc2cbf3 (このIDを非表示/違反報告)
鹿(プロフ) - うわあ三日で頑張って全部読みました！最高ですね！こんなにリアルで切なさを描いた小説初めて読んだ気がします。 (8月10日 3時) (レス) @page50 id: 6f7661d487 (このIDを非表示/違反報告)
あさなさな(プロフ) - フネ55さん» 楽しくて悩ましい大学生活を描きたかったので、嬉しいです！微々たる供給ですが、楽しみにしてくださってありがとうございます！ (7月23日 19時) (レス) id: 4d4d65fc30 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あさなさな | 作成日時：2023年5月31日 17時
