281:負担 ページ33
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『……試験、いつなんですか?』
HS「どっちも、一か月先で」
『どっちも…二つ受けるんですか?』
HS「……うん。自分の大学と国内の他の大学も含めて、五個出願してる。
国内の一つは今月末で、日本の二つは日付が近いから、まとめて二週間滞在して受けてくる。
残りの一つはその後」
『二週間もいなかったら、合否の前に私にバレちゃいますよ…』
HS「ごめん。ずっと言わないとって思ってて…でも言えなくて。
ごめん。本当にごめん、ごめんね」
『落ちる気ないじゃないですか…』
HS「え?」
『ホビオッパの努力は私が一番知ってます。
どれだけ本気で試験勉強と卒論と課題をこなしていたか。
……一緒に悩みたかったです。一緒に頑張りたかったです。一緒に、喜びたかったです…』
HS「ごめんなさい。本当にAっ」
オッパはずっと謝ってばかりだ。
私も責める言葉ばかり。もう言いたくないよ。
『すみません…あの、今日から自分の部屋に戻ります。これ以上ホビオッパに負担をかけたくないです』
HS「負担じゃないからっ」
『ホビオッパを責めちゃうの、私にとって負担なんです!』
目を見開いて、深く傷ついた顔のオッパを見てとうとう泣きそうになる。
やだ、やだやだ。
こんなこと言いたくない。言わせないで。
好きな人に負担だって言っちゃった。
こうやって責めてしまうくらいなら、一緒にいない方が良い。
HS「そっか…、そうだよね。
俺のわがままで、狡さで、こんなに傷つけて、まだ一緒にいたいっていうのは無理だよね」
無理じゃない。
それは声にならなかった。
一緒にいたいけど、でも心がついていかないの。
喉の奥が焼け付くように痛くて、ポタっと涙が落ちただけだった。
HS「距離を…置くべきなのかな…」
こんなに辛いのに、本当は離れたくない。
抱きしめていっぱいキスして、それでも側に居てって言ってよ。日本に行くことになってもならなくても、変わらず愛してるって言ってよ。
だって信じてるのに…
あの日の薬指のキスを、大切に想っていたのは私だけだったの?
日本の院を受けたいから応援してって、強引なくらいに言ってくれて良かったんだよ。
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YG「辛気臭い面してんな」
『気にしないでください』
YG「それならウジウジオーラ出すの止めてもらえますか?」
『出してません』
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あさなさな(プロフ) - pumpkinさん» たくさん読んでいただきありがとうございます!色んなホソクさんを楽しんでいただけたらと思います。なんとなく似てしまうのはご愛嬌笑 (9月11日 18時) (レス) id: 182cc2cbf3 (このIDを非表示/違反報告)
pumpkin(プロフ) - 本当にあさなさなさんの世界のホビ素敵すぎます。全作品読ませてもらってます。癒しの時間をいただいてます。素敵な作品をたくさんありがとうございます!! (9月8日 11時) (レス) @page50 id: 3dc2269bbe (このIDを非表示/違反報告)
あさなさな(プロフ) - 鹿さん» 長いのにありがとうございます!そう言っていただけて嬉しいです!こちらはもっと山あり谷ありですね笑 (8月10日 17時) (レス) id: 182cc2cbf3 (このIDを非表示/違反報告)
鹿(プロフ) - うわあ三日で頑張って全部読みました!最高ですね!こんなにリアルで切なさを描いた小説初めて読んだ気がします。 (8月10日 3時) (レス) @page50 id: 6f7661d487 (このIDを非表示/違反報告)
あさなさな(プロフ) - フネ55さん» 楽しくて悩ましい大学生活を描きたかったので、嬉しいです!微々たる供給ですが、楽しみにしてくださってありがとうございます! (7月23日 19時) (レス) id: 4d4d65fc30 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:あさなさな | 作成日時:2023年5月31日 17時