277:お散歩 ページ29
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けれどそれ以外は気晴らしと称して外出に誘うのも申し訳ない程で、私はひとりのお散歩が日課になっていた。
その日もやっていたレポートに詰まって、閉塞感から外に出た。
部屋を出る時「気を付けてね」とキスしてくれたけど、そのままパソコンに目を戻した。オッパはそれで、苦しくないのだろうか。
『ソクジン先輩』
JN「お、Aさん。子どもたちと一緒に遊んでく?」
偶然通りかかった公園に、子供たちを遊ばせているソクジン先輩がいた。
『お疲れ様です』
JN「本当お疲れだよ。今日はどうしてもって親に頼まれて。でもかれこれ三十分くらい休憩してる」
『私と話してて良いんですか?』
JN「全然大丈夫。一緒に走り回る必要、本当はないから。子どもたちの事見てれば」
『研究室、どんな感じですか?夏休みも忙しいですか』
JN「俺は別に…でも学校あってる時は、レポートとかヤバい。Aさんも覚悟しといた方が良いよ。ドンイ先生ゼミ生にはマジで容赦ない」
『ホソク先輩もテテ先輩も、そんな雰囲気感じさせなかったですよね』
JN「同じ研究室に入ったら分かる。あの二人は頭抜けて優秀。だからまだ余裕があったんだよ」
けれど研究会を引退した後は、そんな余裕もないくらいに詰めている。
『私が来年入ったら、先輩たち院生ですよね。ジミン先輩は博士課程には進むんでしょうか』
JN「どうだろうね。もしそうだったら、みんないるし楽しいね」
『あの、院試って、どれくらいで合格できるか分かりますか?』
JN「合格ライン?さあ、まだちゃんと調べてないけど。あの先輩たちなら余裕で通ると思うな。
実際、テヒョン先輩はそんなこと言ってたし。さすがに思いっきり遊んだりはできないみたいだけど」
『ホソク先輩、最近の集中力凄くて、ちょっと声もかけられないくらいなんです』
JN「そんなに?それって卒論関係?」
『違うと、思います…』
卒論関係ではないはず。それは分かる。
それからソクジン先輩と情報交換をして、別れて家に帰った。
ホビオッパは依然として勉強机に向かっていて、私が帰ってきたことに気づくと「おかえり」と微笑んでくれた。
それに無性に甘えたくなってしまって、椅子に座るホビオッパの横。床に直接座って、勉強机の引き出しに背中を預けて膝をかかえた。
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あさなさな(プロフ) - pumpkinさん» たくさん読んでいただきありがとうございます!色んなホソクさんを楽しんでいただけたらと思います。なんとなく似てしまうのはご愛嬌笑 (9月11日 18時) (レス) id: 182cc2cbf3 (このIDを非表示/違反報告)
pumpkin(プロフ) - 本当にあさなさなさんの世界のホビ素敵すぎます。全作品読ませてもらってます。癒しの時間をいただいてます。素敵な作品をたくさんありがとうございます!! (9月8日 11時) (レス) @page50 id: 3dc2269bbe (このIDを非表示/違反報告)
あさなさな(プロフ) - 鹿さん» 長いのにありがとうございます!そう言っていただけて嬉しいです!こちらはもっと山あり谷ありですね笑 (8月10日 17時) (レス) id: 182cc2cbf3 (このIDを非表示/違反報告)
鹿(プロフ) - うわあ三日で頑張って全部読みました!最高ですね!こんなにリアルで切なさを描いた小説初めて読んだ気がします。 (8月10日 3時) (レス) @page50 id: 6f7661d487 (このIDを非表示/違反報告)
あさなさな(プロフ) - フネ55さん» 楽しくて悩ましい大学生活を描きたかったので、嬉しいです!微々たる供給ですが、楽しみにしてくださってありがとうございます! (7月23日 19時) (レス) id: 4d4d65fc30 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:あさなさな | 作成日時:2023年5月31日 17時