273:新入生 ページ25
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TH「バームロールは買ってるんだから良いだろ!」
HS「バームロールはどこから出てきたんだよ」
TH「ブルボンに決まってんじゃん」
NJ「僕もバームロール好きです」
TH「ね!バームロールも良いよね」
テテ先輩が顔を上げて一瞬固まったが、その目が丸くキラキラしだす。
その先には、なんとなく見覚えがある男の子。
HS「わぁ、もしかして新入生?粘菌研究会の茶話会に来てくれたの?」
NJ「はい」
TH「座って座って!いつの間に!!」
NJ「一応ノックして声かけたんですけど、みなさん盛り上がってたので。勝手に入ってすみません」
TH「じゃんじゃん勝手に入っちゃって!」
HS「おいでー」
全く気付かなかった。
だけどどこかで見た顔。うーん、思い出せない。
ソクジン先輩が私をつついて、声を潜めて聞いてくる。
JN「なんか俺、彼に見覚えあるんだけど」
『私もあります。何ででしょう』
JN「もうちょっとで出そうなんだけど…何だっけ?」
『共通の何かですよね』
JN「二人とも見覚えあるってことは、そうだよねぇ」
二人でヒソヒソしていたら、その答えをホビオッパが口に出した。
HS「去年のオープンキャンパスに来てた子だよね。トゥシク研究室の座談会」
JN「あっあの時の!」
NJ「はい。そうです」
TH「わー!そっかそっか、それで来てくれたんだ!学部は?農学部?」
NJ「農学部です」
HS「トゥシクゼミでは変形菌見せてあげられなかったから、早速見に行く?前の時はそんなに知らないって感じだったよね」
NJ「はい。あれから自分なりにちょっと調べてみました。変形菌って凄く面白いシステムを持ってますよね」
TH「ホソガ、どうしよう、あれがキッカケなんて…俺泣きそう」
NJ「でも受験勉強で採集とかはできてなくて、実物は見た事ないです」
TH「よく頑張ったね。おいで、俺の亀二郎を見せてあげる」
HS「亀二郎はタマホコリカビじゃん、しかも標本」
TH「別に良いじゃん」
HS「聞こえてた?彼は変形菌って言ったんだよ。細胞性粘菌はお呼びでない」
NJ「あ、僕の名前はキム・ナムジュンと申します」
そこから私たちも自己紹介をして、B222の変形菌を飼育している研究室に移動する。
テテ先輩が必死に、真正粘菌と細胞性粘菌の違いを隣で説明している。
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あさなさな(プロフ) - pumpkinさん» たくさん読んでいただきありがとうございます!色んなホソクさんを楽しんでいただけたらと思います。なんとなく似てしまうのはご愛嬌笑 (9月11日 18時) (レス) id: 182cc2cbf3 (このIDを非表示/違反報告)
pumpkin(プロフ) - 本当にあさなさなさんの世界のホビ素敵すぎます。全作品読ませてもらってます。癒しの時間をいただいてます。素敵な作品をたくさんありがとうございます!! (9月8日 11時) (レス) @page50 id: 3dc2269bbe (このIDを非表示/違反報告)
あさなさな(プロフ) - 鹿さん» 長いのにありがとうございます!そう言っていただけて嬉しいです!こちらはもっと山あり谷ありですね笑 (8月10日 17時) (レス) id: 182cc2cbf3 (このIDを非表示/違反報告)
鹿(プロフ) - うわあ三日で頑張って全部読みました!最高ですね!こんなにリアルで切なさを描いた小説初めて読んだ気がします。 (8月10日 3時) (レス) @page50 id: 6f7661d487 (このIDを非表示/違反報告)
あさなさな(プロフ) - フネ55さん» 楽しくて悩ましい大学生活を描きたかったので、嬉しいです!微々たる供給ですが、楽しみにしてくださってありがとうございます! (7月23日 19時) (レス) id: 4d4d65fc30 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:あさなさな | 作成日時:2023年5月31日 17時