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HS「さすがに父親が救急車呼んで、まあ母親の怪我は大したことなかったんだけど。
サイレンの音と、手で押さえても止まらない血が、俺とテヒョンイの最後に一緒に迎えた誕生日」
どう言葉をかけるべきか分からなくて、じっとオッパの声に耳を傾ける。
HS「あまりにその記憶だけ、ずっと鮮明なんだ。
寝ぼけてるとどうしても…ごめん。ちゃんと起きたら、もう大丈夫なんだけど」
何年経っても忘れられない記憶は、私にもある。
薄めていけたら良いな。
いっぱい楽しければ、そのうち、きっと。
『これ、誕生日プレゼントです』
少し驚いたみたいで、だけど「嬉しい、ありがとう」と包みを開ける。
ダークグレーのビーニー。ホビオッパはタグがついたまま被って、前髪を整えながら首をかしげる。
『可愛いです』
柔らかく微笑んで、ぱあ!ぷ!とキュートな声で、色んな角度を見せてくれる。
『凄く似合ってます』
右耳の後ろで揺れるタグをつつくと、その手を掴まれて、ギュッと抱きしめられる。
HS「不甲斐なくてごめん。ありがとう。好き、大好き」
合同誕生会と称してまた、私の部屋にみんなで集まる。
おめでとうございますと二人をお祝いして、誕生日の歌を十回くらい歌った。
最後はユンギ先輩が、タブレットでピアノを表示して、その演奏に合わせて歌った。凄すぎる。
ジミン先輩が買ってきてくれたケーキを食べ終わり、プレゼント交換を始めようとして、困惑の声が上がる。
JM「交換?どういう事?」
私たちは持ってきたプレゼントを手に、ジミン先輩を見る。
JM「プレゼント交換?俺何も聞かされてないよ。ホソガとテヒョンアのプレゼントは持ってきてるけど、え?どういうこと?全員混ぜて交換するの?」
TH「あ、ごめんなさい。ヒョン僕たちのプレゼント用意してくれてたんですか?」
JM「するだろ。毎年祝ってるし、今年も二人はプレゼントくれたじゃん」
TH「じゃあそのプレゼントは僕とホソガでありがたくいただきます。
でも今回は、誕生日過ぎちゃった人もこれからある人も合わせての合同誕生日会なので、それぞれ一個用意して交換するんです」
HS「何、ヒョンにそれ説明してなかったの?」
TH「うん。だってヒョンは既にお祝いしてるし」
JM「だだお前らの誕生会ってだけだと思ってたよ」
TH「ということでヒョン、音楽を流して止める係お願いします」
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あさなさな(プロフ) - pumpkinさん» たくさん読んでいただきありがとうございます!色んなホソクさんを楽しんでいただけたらと思います。なんとなく似てしまうのはご愛嬌笑 (9月11日 18時) (レス) id: 182cc2cbf3 (このIDを非表示/違反報告)
pumpkin(プロフ) - 本当にあさなさなさんの世界のホビ素敵すぎます。全作品読ませてもらってます。癒しの時間をいただいてます。素敵な作品をたくさんありがとうございます!! (9月8日 11時) (レス) @page50 id: 3dc2269bbe (このIDを非表示/違反報告)
あさなさな(プロフ) - 鹿さん» 長いのにありがとうございます!そう言っていただけて嬉しいです!こちらはもっと山あり谷ありですね笑 (8月10日 17時) (レス) id: 182cc2cbf3 (このIDを非表示/違反報告)
鹿(プロフ) - うわあ三日で頑張って全部読みました!最高ですね!こんなにリアルで切なさを描いた小説初めて読んだ気がします。 (8月10日 3時) (レス) @page50 id: 6f7661d487 (このIDを非表示/違反報告)
あさなさな(プロフ) - フネ55さん» 楽しくて悩ましい大学生活を描きたかったので、嬉しいです!微々たる供給ですが、楽しみにしてくださってありがとうございます! (7月23日 19時) (レス) id: 4d4d65fc30 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:あさなさな | 作成日時:2023年5月31日 17時