264:温度差 ページ16
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キム・テヒョン来年度から一人ずつちゃんとしよ。
今年は合同のプレゼント交換会!!
キム・テヒョンプレゼントの金額は千円までね
キム・テヒョン場所はAんち
キム・テヒョンこれで弟子とヒョンとユンギに伝えてOK?
『私の部屋って無料貸し出しスペースでしたっけ?』
HS「大学から近くてみんな集まれる広い部屋って、本当にありがたいからなぁ」
『オッパの部屋も近いじゃないですか』
HS「ん?俺たちの部屋に来てもらう?半同棲状態なの、一発でバレるよ」
ケラケラと楽しそうなホビオッパ。
ちょびっと反抗的な気持ちで、言ってみただけなのに。
『そういう訳じゃないです』
HS「分かってるよ。そもそも八人入れる広さはないから。
誰か一人をずっと廊下のキッチンに追いやってて良いなら、五人くらいは入れるかな?」
『可哀想すぎます』
HS「粘菌研究会のメンバーだけならいけるね」
テテ先輩からの合同誕生会のお知らせは、あの内容でみんなに渡ったようだった。
迎えた誕生日当日。
朝起きて一番、オッパに「お誕生日おめでとうございます」と伝える。
HS「……そっか、今日だね」
『起きてください』
HS「んー、起きてるよ」
オッパの身体を揺すぶると「やめて」って腕を掴まれる。
きつい言い方にビックリする。どうしたんだろう。
プレゼントは、また後で渡そう。
いつもと違う雰囲気で、温度差を感じた。みんなで誕生会だって楽しみにしてたのに、シュンと気持ちがしぼむ。
パンを温めてコーヒーを淹れていたら、側にオッパが立つ。
HS「ごめん、さっきは寝ぼけてた」
『私こそ、無理にごめんなさい』
HS「…実は俺と、テヒョンイもだけど。
あんまり自分の誕生日、好きじゃないんだよね」
『そうなんですか?』
意外だった。計画の段階からあんなに楽しそうだったのに。
オッパは自分の頭をくしゃくしゃとまぜて、重そうな口を開いた。
HS「まだ両親が離婚する前、一回も祝ってもらったことなくて。
毎日喧嘩。俺らの誕生日も喧嘩してて、で、ちょっとエスカレートして、机にあったお皿が派手に割れた。
故意に投げつけたとかではなかったんだけど、破片が母親の目元をかすって、凄く血が出た」
うつむきがちに壁の一点を見つめながら、淡々と話す。
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あさなさな(プロフ) - pumpkinさん» たくさん読んでいただきありがとうございます!色んなホソクさんを楽しんでいただけたらと思います。なんとなく似てしまうのはご愛嬌笑 (9月11日 18時) (レス) id: 182cc2cbf3 (このIDを非表示/違反報告)
pumpkin(プロフ) - 本当にあさなさなさんの世界のホビ素敵すぎます。全作品読ませてもらってます。癒しの時間をいただいてます。素敵な作品をたくさんありがとうございます!! (9月8日 11時) (レス) @page50 id: 3dc2269bbe (このIDを非表示/違反報告)
あさなさな(プロフ) - 鹿さん» 長いのにありがとうございます!そう言っていただけて嬉しいです!こちらはもっと山あり谷ありですね笑 (8月10日 17時) (レス) id: 182cc2cbf3 (このIDを非表示/違反報告)
鹿(プロフ) - うわあ三日で頑張って全部読みました!最高ですね!こんなにリアルで切なさを描いた小説初めて読んだ気がします。 (8月10日 3時) (レス) @page50 id: 6f7661d487 (このIDを非表示/違反報告)
あさなさな(プロフ) - フネ55さん» 楽しくて悩ましい大学生活を描きたかったので、嬉しいです!微々たる供給ですが、楽しみにしてくださってありがとうございます! (7月23日 19時) (レス) id: 4d4d65fc30 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:あさなさな | 作成日時:2023年5月31日 17時