262:恋人 ページ14
.
『羨ましいです。
私も男だったら、もっと気兼ねなく色々できたのかなって』
HS「えぇ〜Aん家に男で集まって夜通し騒いでる時点で、気兼ねなく付き合えてると思うけど」
『そうですね…私あんまり気を遣われてないですね。衝立くらいで同じ部屋泊まってますしね』
HS「ははっごめん。いつでも金欠だよね、大学生」
『でもソクジン先輩が入ってきた時、ちゃんと一人の人として歓迎されてて、私は女ってだけなのかなって思ったりもしました』
HS「そんな訳ないよ!」
後ろに寄りかかっていた身体をバッと起こして、強めに否定される。
『女の子が珍しいって感じでちやほやされたら、ちょっぴり複雑な思いはしますよ』
HS「そんなつもりじゃなかったんだけど、ごめんね」
『高校時代の失敗もあったので、頑なに仲間でいたいって思ってました。女って見て欲しくないなって』
HS「俺とテヒョンイがAの事、こじ開けるみたいにしてしまったよね」
『それが嫌だったとかじゃないですけどね。今では、本当にみんなでいるの楽しくて…』
自分で話していて、ハッとした。
ホビオッパと付き合う前と付き合った後も、悩んで大変で、仲間のままでいた方が良かったんじゃないかって、何度か後退しそうになってた。
だけど今、みんなでいるのが楽しいって自然に出てきた。
入部した時よりも、もっと仲良く楽しく過ごせている。今はそう思える。
HS「A?」
『ホビオッパ、大好きです』
HS「わあっ何?急に。俺も大好き」
オッパの肩に頭を乗せる。
旧正月の予定や旅行のことについて決めていく。
HS「なんか…今更な事言うけどさ、」
頭を少し上げてホビオッパの顔を見る。
HS「Aと恋人なんだって実感が、ふとこみ上げてきました」
『今って事ですか?』
HS「うん、今。
デートとか、合鍵の交換とか、触れ合ったりとか。それよりも今。Aが力抜いて俺に頭を預けて、これからの事を考えてる。
本当にそれだけで良いかもしれない」
付き合い出した頃は一定の距離を開けて座っていた隙間が、少しずつ無くなっていった。
私もさっき、ホビオッパと恋人でいるという事を改めて受け入れられた気がした。
『私も…それだけで良いです』
言って、でも恥ずかしくなって、オッパの肩に顔をうずめる。
HS「待って。やっぱりダメ。それだけじゃいや。ほらおいで」
.
202人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
あさなさな(プロフ) - pumpkinさん» たくさん読んでいただきありがとうございます!色んなホソクさんを楽しんでいただけたらと思います。なんとなく似てしまうのはご愛嬌笑 (9月11日 18時) (レス) id: 182cc2cbf3 (このIDを非表示/違反報告)
pumpkin(プロフ) - 本当にあさなさなさんの世界のホビ素敵すぎます。全作品読ませてもらってます。癒しの時間をいただいてます。素敵な作品をたくさんありがとうございます!! (9月8日 11時) (レス) @page50 id: 3dc2269bbe (このIDを非表示/違反報告)
あさなさな(プロフ) - 鹿さん» 長いのにありがとうございます!そう言っていただけて嬉しいです!こちらはもっと山あり谷ありですね笑 (8月10日 17時) (レス) id: 182cc2cbf3 (このIDを非表示/違反報告)
鹿(プロフ) - うわあ三日で頑張って全部読みました!最高ですね!こんなにリアルで切なさを描いた小説初めて読んだ気がします。 (8月10日 3時) (レス) @page50 id: 6f7661d487 (このIDを非表示/違反報告)
あさなさな(プロフ) - フネ55さん» 楽しくて悩ましい大学生活を描きたかったので、嬉しいです!微々たる供給ですが、楽しみにしてくださってありがとうございます! (7月23日 19時) (レス) id: 4d4d65fc30 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:あさなさな | 作成日時:2023年5月31日 17時