259:初日の出 ページ11
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ボムギュもちゃんと起きてきて、日の出鑑賞。
あっという間に空全体が、濃紺から橙のグラデーションに覆われる。
喋る人もいなくなり、ただじっと太陽が昇っていくのを見つめる。
燃える太陽が、私たちの元に朝を届ける。
この光に比べれば、確かに私たちは小さな存在で、だからこそ一人でいるのは怖いと思った。
隣にいるホビオッパの袖の端をちょっと掴む。
それに反応してくれて、お互いに冷えはじめた手を繋ぐ。
高校までと違って、自由な分もっと大変で、保護してくれる親も近くにいない。
全部自分で、一から関係を作っていかないといけない。
初日の出を見るのは初めてじゃないけれど、こんなに奇跡のようだと思ったことはなかった。
この八人で、ずっと一緒にはいられない。
分かってるから、大切にしないといけない。
太陽が完全に姿を現して、いつもの光景になっていく。
YG「なんか今日の事、忘れちゃいけない気がする」
ベランダから部屋に戻るとき、ユンギ先輩がポツリと呟いた。
その通りだ。きっと、忘れない。
JM「眠いな」
JN「さっき醒めた眠気と酔いはどうしたんですか?」
JM「あったかい部屋に入ると戻ってきた」
TH「なんか俺テンション上がってきた」
YG「さらに上がんの?今日ずっと高かったよ」
bg「ヒョン!僕どこまでもついていきます!」
TH「ついてこいっ」
th「さっきまで寝てたくせに」
bg「スッキリ、元気、新生ボムギュ!」
TH「Aん家何かFPSとかできないの?」
『ないです。スイッチで、スプラトゥーンとかマリオカートはできますけど』
JN「そうなんだ!見当たらないから、ゲーム全くしないのかと思ってた。テレビ繋げる?」
『繋げます』
JN「やろやろ!」
そこからマリカ王を決めるべく、トーナメント方式で二人ずつ対戦した。
そしてソクジン先輩がハリガリ王とマリカ王の二冠に輝いたのだった。
お昼も近づいてきて、解散することになった。
みんな片付けを手伝ってくれる。
私は流し場でお皿を洗う。
残りのお皿を持ってきてくれたテテ先輩が、そのまま手伝ってくれる。
TH「こっち全部ゆすいで大丈夫?」
『はい。ありがとうございます』
廊下の先でわいわいガサガサ騒いで片付ける音を聞きながら、無言のまま作業を進める。
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あさなさな(プロフ) - pumpkinさん» たくさん読んでいただきありがとうございます!色んなホソクさんを楽しんでいただけたらと思います。なんとなく似てしまうのはご愛嬌笑 (9月11日 18時) (レス) id: 182cc2cbf3 (このIDを非表示/違反報告)
pumpkin(プロフ) - 本当にあさなさなさんの世界のホビ素敵すぎます。全作品読ませてもらってます。癒しの時間をいただいてます。素敵な作品をたくさんありがとうございます!! (9月8日 11時) (レス) @page50 id: 3dc2269bbe (このIDを非表示/違反報告)
あさなさな(プロフ) - 鹿さん» 長いのにありがとうございます!そう言っていただけて嬉しいです!こちらはもっと山あり谷ありですね笑 (8月10日 17時) (レス) id: 182cc2cbf3 (このIDを非表示/違反報告)
鹿(プロフ) - うわあ三日で頑張って全部読みました!最高ですね!こんなにリアルで切なさを描いた小説初めて読んだ気がします。 (8月10日 3時) (レス) @page50 id: 6f7661d487 (このIDを非表示/違反報告)
あさなさな(プロフ) - フネ55さん» 楽しくて悩ましい大学生活を描きたかったので、嬉しいです!微々たる供給ですが、楽しみにしてくださってありがとうございます! (7月23日 19時) (レス) id: 4d4d65fc30 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:あさなさな | 作成日時:2023年5月31日 17時