163:教育 ページ14
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「元々身体が病弱で、無事産めたのも奇跡みたいな事だったらしい。
でもそこから少しずつ体調が優れなくなって、最後は病院で息を引き取ったと聞いた。
そして理事長は残されたホソギを厳格に縛り付けた。母親が居なくても、きちんとした子に育つようにと。
ここからは俺も良く知ってる。家も近いし小学校から俺とウナはずっと一緒だった。
学校では常にトップの成績が求められたし、放課後は大量の習い事。
身体を丈夫にするためと運動も。
もし何か、言いつけ通りにできない事があれば軟禁されていた」
『なんきん…』
" 軟 禁 "
本当にそんな事…
「家の中での不自由はないけれど、一週間外出禁止。家庭教師が付けられて、できない事ができるようになるまで徹底的に指導される。
学校には病欠と伝えていたようだ。一年に一度あるかないかの頻度で、綺麗に一週間休む。
でもやっぱり、そんなの上手くいくはずがなかったんだよ」
ナムジュン先輩は一度言葉を区切ると私を見て「ジス先輩は元気？」と聞いてきた。
『あ…多分……』
お母さんは変わらずお姉ちゃんと頻繁に連絡を取っているみたいだけど、私はほとんどやりとりしていない。
たまに来た写真とメッセージに、スタンプを返すだけ。
いつもキラキラした写真だし、お母さんもヒステリックになっていないから、多分大学でも楽しめているんだと思う。
「多分って…」
少し呆れたような顔をされたけど、そのまま続ける。
「君のお姉さんからの誘いで生徒会に入った後、自由で抑圧的ではない人の動かし方を目の前で見せられた。
俺もホソギも、ジス先輩には本当にお世話になったんだ」
大切な記憶を懐かしむように、一瞬だけ視線を遠くに遣る。
「そして今まで教育という建前で強いられてきた支配に気づいた。
ホソギは何があったかハッキリ言わなかったけど、多分……殴ったんだと思う。
拳を握りしめて震えてたあの日は絶対に忘れられない。俺の部屋に来て、父親はもっと大きなものだと思ってたって、泣いたんだよ」
どうして私は、その時まだ出会えてなかったのか。
「A」
『……はい』
「父親に失望したとか、家を継ぐのはやめるとか。あいつはそんなに幼稚じゃない。
衝突を越えて望まれた事をこなして、前以上の自由は手に入れた。Aが出会ったのもそこなんだろ」
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あさなさな(プロフ) - りつうさん» どっちも最高学年で生徒会の上の立場なので、嫉妬のような感情や一面は理性で隠してたんだと思います。ナムジュンさんの想いも、明かしていけたら…！ (4月8日 13時) (
レス) id: 4d4d65fc30 (このIDを非表示/違反報告)
りつう(プロフ) - 嫉妬によりMくんとナムさんの見えてなかった一面が顔を出しましたね〜！ナムさんもホソク先輩のことで葛藤したり懊悩してたのかな〜と想像してしまいました😢 (4月7日 16時) (レス) @page13 id: 2c4192e77a (このIDを非表示/違反報告)
あさなさな(プロフ) - Suzyさん» ありがとうございます…♡ (4月7日 10時) (レス) id: 4d4d65fc30 (このIDを非表示/違反報告)
Suzy(プロフ) - あさなさなさんの···繊細な表現がすきです💙❤💙 (4月5日 23時) (レス) id: 8ccc3081cc (このIDを非表示/違反報告)
あさなさな(プロフ) - りつうさん» 主人公の相談に乗ってくれる人がなかなか居なかったので、ようやくのヨンジュン先輩でした！それぞれのキャラクターの心情まで深く読んでいただけて嬉しいです！素敵なお言葉もありがとうございます！ (3月18日 12時) (レス) id: 4d4d65fc30 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あさなさな | 作成日時：2024年3月15日 18時
