160:ファスナー ページ11
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『ひぅ…』
下から撫で上げられて、ダメ、ダメって思うのに、下着のホックで引っかけるようにして指は止まる。
『えむく』
「綺麗」
『…え?』
「素肌のままで、綺麗だよ」
「これ、外しても良い?」と下に指を通しながら、弄られる。
必死で頭を横に振ってお願いしている途中でぷつ、と弾みで外れてしまった。
そのまま私の肌を這う手が肩口にまで到達し、右肩の生地と紐が一緒にパラリと落ちた。
『んっ…』
自分の胸元と口をなんとか押さえていたら、首筋にМくんの唇が何度も落とされる。
ゾクゾクと変な感覚がして喉が震える。
口の中を乱されたあのキスか、それ以上の未知の痺れに脳内が支配されていく。
『や、やだ…えむくん』
「俺だってやだ、このワンピース脱いで。
何も着てなくても、μは絶対に可愛いよ」
びっくりして少しだけ首をひねったら、Мくんと目が合った。
わざとらしく、その唇の隙間から舌を覗かせると、肩に吸い付いた。
『んぅ…っあ』
ザラリと舌先が滑って、カプリと噛まれる。
肩、から首。
そしてうなじ。
ビリビリと右側に集中した甘い痛みに、思考力だけでなく抵抗する力も奪われていく。
『ん……』
強すぎる刺激にクラクラする。
Мくんはそんな私を、どんどん暴く。
舐められて、噛まれて、その度に肩が跳ねて声が漏れる。
恥ずかしさでどうもできなくなったまま、完全に力を抜いてその腕に全てを委ねた。
ピタリとМくんが止まる。
私の整わない息だけが何度か周囲に落ちる。
唾を飲み込んで はっと大きく息を吐いた瞬間、肩甲骨に閃くような痛みが走った。
『う、ぁ…ほそくせ、…ほそくせんぱっ』
立っていられなくなって、膝から崩れ落ちる前に身体が簡単に持ち上がる。
ソファに降ろされると、ホソク先輩が私の髪をとかすように触った。
「ごめん、乱暴にした」
ふいと逸らされて目なんか合わない。
「服、整えて」
そう言われ、ハッとして下着とワンピースを元に戻す。
でも…
『ホソク先輩、あの…後ろを』
ファスナー、最後まで上げられない。
すると斜め後ろに回ってくれるから、私も身体を斜めにして座り直す。
さっきとは逆なのに、ドキドキして少しの間息を止めていた。
何事もなく元の装いに戻って、張り詰めていた何かと一緒にまた大きく息を吐きだした。
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あさなさな(プロフ) - りつうさん» どっちも最高学年で生徒会の上の立場なので、嫉妬のような感情や一面は理性で隠してたんだと思います。ナムジュンさんの想いも、明かしていけたら…! (4月8日 13時) (レス) id: 4d4d65fc30 (このIDを非表示/違反報告)
りつう(プロフ) - 嫉妬によりMくんとナムさんの見えてなかった一面が顔を出しましたね〜!ナムさんもホソク先輩のことで葛藤したり懊悩してたのかな〜と想像してしまいました😢 (4月7日 16時) (レス) @page13 id: 2c4192e77a (このIDを非表示/違反報告)
あさなさな(プロフ) - Suzyさん» ありがとうございます…♡ (4月7日 10時) (レス) id: 4d4d65fc30 (このIDを非表示/違反報告)
Suzy(プロフ) - あさなさなさんの···繊細な表現がすきです💙❤💙 (4月5日 23時) (レス) id: 8ccc3081cc (このIDを非表示/違反報告)
あさなさな(プロフ) - りつうさん» 主人公の相談に乗ってくれる人がなかなか居なかったので、ようやくのヨンジュン先輩でした!それぞれのキャラクターの心情まで深く読んでいただけて嬉しいです!素敵なお言葉もありがとうございます! (3月18日 12時) (レス) id: 4d4d65fc30 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:あさなさな | 作成日時:2024年3月15日 18時