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───その時、ふとシャンプーの甘い匂いが香った。
｢あ、｣
どうして、好きな女の子の風呂上がりの匂いって、こうも性 欲を煽るのだろうか･･････。
『ん？』
純粋な表情で不思議そうに首を傾げる彼女に、困ったもんだと苦い笑みを滲ませる。
少しくらい身構えてくれないと、彼女を外に出すのが心配になってしまいそうだ。
俺は鞄を廊下の床へ置くと、彼女の手を素早く取って引き寄せ、そのまま唇を奪った。
『んんっ･･･！？』
驚きで漏れた彼女の声が、振動となって触れた唇から伝わってくる。
そして、息をする間も与えず深いところまで追い込めば、彼女が力なく俺の胸を押した。
そこでようやく唇を離してやると、彼女から熱い吐息が漏れる。
その呼吸すらも奪って、自分のものにしたいと思ってしまう俺は、いよいよ末期だろうか。
そしてまた彼女の唇に触れようとすると、手で遮られてしまった。
『もうっ･･･！酔ってるんですか？』
そう言って怒った表情を作る彼女の顔は、のぼせたように真っ赤だった。
｢───酔うてるって言ったら？｣
優しく介抱でもしてくれるん？
『･･････水風呂に沈めます』
しかし、彼女の返答は甘い雰囲気なんかとは程遠く、俺はつい笑ってしまった。
｢ふふ、ほんまに手厳しい子やわ･･･｣
けれど、同時に"彼女らしい"とも思った。
玄関で三指なんかつかないし、｢おかえりなさいませ｣とも｢ご主人様｣とも言わない。
俺の帰りが遅ければ、普通に先にご飯も食べてるし、お風呂にも先に入って、そして寝てたりもする。
でも俺からしたら、そのくらいの方が変に気負わずに済んで楽なのも事実だ。
自然体な君のままでいてくれる方が、俺は嬉しいから。
それにきっと、そういう君の事を好きになったんだと思う───。
｢───ごめん。ほんまはAちゃんが可愛くて、キスしてもうただけ｣
『バカ･･････』
そしてまた頬を赤くする君に、俺はくちづけを落とした。
fin...
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めめこ(プロフ) - こおあさん» ありがとうございます。とっても嬉しいです！頑張って更新したいと思います！ (2021年12月4日 22時) (
レス) id: ca01f690f5 (このIDを非表示/違反報告)
こおあ(プロフ) - いつも素敵に拝見しています！私もこんな甘いリアルな橙さんが書けるようになりたいなあと思ってます！これからも応援してます！ (2021年12月4日 17時) (レス) id: 27440602aa (このIDを非表示/違反報告)
めめこ(プロフ) - まいさん» 読んで頂きありがとうございます！コメントを励みに頑張ります！ (2021年3月12日 18時) (レス) id: ca01f690f5 (このIDを非表示/違反報告)
まい(プロフ) - バレンタイン最高でした！ホワイトデー楽しみにしてます!! (2021年3月11日 11時) (レス) id: 289a5ec9d0 (このIDを非表示/違反報告)
めめこ(プロフ) - ゆんゆさん» ありがとうございます！そう言って頂けてとても嬉しいですm(_ _)m いつかヒロインの誕生日話も書けたらいいなと思っています！ (2019年11月27日 20時) (レス) id: ca01f690f5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：めめこ | 作成日時：2019年7月2日 23時
