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｢すぐ見つかってよかったわ〜｣
｢丸山さん、恐ろしいほどの早さでAさんの事見つけましたもんね｣
｢誰がストーカーやねん！あ、このまま人形町の今半行くねんけど、ええやろ？｣
そして、一通りの茶番劇を繰り広げた後に、さも当然のような口振りでそんな事を言ってきた。
『･･････は？』
｢あー、それと一応シートベルトしてな？｣
だが、丸山は私の返事など端から聞いていないようで、こちらを見る事もなく、シートベルトを装着させる。
『･･････いやいや、ちょっと待って！』
あまりの情報量に圧倒されつい流されていたが、どれも無視できない事ばかりだ。
『いきなり何なんですか！もはや拉致誘拐ですよこんなの！しかもあんな人通りのある所で･･･！』
マネージャーがついていながら、なんと嘆かわしい事か。
私は豪快に溜め息を吐き出すと、頭を抱えた。
｢え？丸山さんとお約束されてたんじゃないんですか？｣
ところが、マネージャーは｢はて？｣と首を傾げると、バックミラー越しにこちらを見た。
『予定については聞かれましたが、場所も時間も指定は受けてません』
｢あれ？言わへんかったっけ？｣
『言ってません』
不満たらたらな顔で隣の丸山を睨めば、｢ごめん〜｣と悪びれた様子もない顔で謝罪された。
『誠意ゼロ』
｢あはは。まあまあ、美味しいお肉でも食べて機嫌直してや？｣
しかし丸山は、子供でもあしらうみたいに笑って誤魔化すと、私の頭をポンポンとやる。
｢ね？｣
『･･････』
そして何が一番悔しいって、こんな単純なやり口で簡単に許してしまう自分自身だ。
『もう、いいです･･････』
＊＊＊
すみれ色の暖簾の先は、老舗の高級店らしい貫禄がうかがえる内装だった。
そして座敷の個室に通されると、次々にコースの準備が進められていく。
先程ちらりとメニュー表を覗いたが、一番安いコースでも一万円を越えており、度肝を抜かれた。
これが高級店か･･････。
目に見える物全てに圧倒され、自然と背筋が伸びた。
一応ワンピースを着て来てはいるが、もう少しオシャレなのを選べば良かった。
｢今日は、Aちゃんの分も僕が出すから、なんでも好きなもん頼みや？｣
『ご、ごちそうになります。恐縮です･･････』
おまけに、丸山がそんな事をのたまうもんだから、私はもう正座を崩せなくなった。
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めめこ(プロフ) - りなさん» ありがとうございます！楽しく読んでいただけて嬉しいです。続編作成中ですので少しお待ちください！ (2019年6月6日 12時) (
レス) id: ca01f690f5 (このIDを非表示/違反報告)
りな - 本当におもしろいです！早く続き見たいです！ (2019年6月5日 23時) (レス) id: 9dc5982e37 (このIDを非表示/違反報告)
めめこ(プロフ) - ゆんゆさん» いつも読んでいただきありがとうございます！ヤキモチを通り越すくらいゆんゆさんにドキドキしてもらえるような作品にしたいと思います(笑)これからもよろしくお願いします！ (2019年5月26日 21時) (レス) id: ca01f690f5 (このIDを非表示/違反報告)
ゆんゆ(プロフ) - いつも更新を楽しみにしています。まるたーの私なので、上手くいって欲しいと思う反面、感情がリアルに伝わるってくるので、上手くいったらヤキモチ妬きそうで今から心構えを、なんて思ってしまいます(笑)これからも楽しみにしています！ (2019年5月26日 19時) (レス) id: e91edee03b (このIDを非表示/違反報告)
めめこ(プロフ) - colorfulcrayon2さん» ご感想ありがとうございます！プロだなんて嬉しすぎます(><)更新頑張ります！！ (2019年5月23日 7時) (レス) id: ca01f690f5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：めめこ | 作成日時：2019年5月3日 15時
