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不思議だ。
ずっと前から、こんな穏やかな関係性だったような、温かくてホッと落ち着くような───店長といるとそんな感覚になる。
これは、どういう気持ちなんだろ。
この気持ちは、なんなんだろう───？
『･･･あの』
変に意識したら急にドギマギとして、沈黙が気不味くなってしまった。
私は取りあえず口を開いてから、慌てて切り出す話題を探す。
正面を見やれば、店長の大きな目がキョトンとこちらを見ていた。
『えーと、店長はなんで花屋さんになろうと思ったんですか？』
───て、そんなのお花が好きだからに決まってるでしょ･･･！
なんてアホな質問をしてしまったんだろう、と内心で自分の頭をポカポカと叩く。
きっと店長からも同じ事を言われてツッコまれるだろう。
これは、言われる前に自分で処理しておくのが吉かもしれない。
『て、お花が好きだからに決まってますよね！すみません、アホな事･･･聞いて･･･』
しかし、恐る恐る向けた視線の先の店長は、どこか切なそうに目を伏せていた。
彼のこんな表情を見るのは初めてで、私もその先の言葉をどう続けるべきか、咄嗟に判断できなくなった。
「───別に」
『え？』
「好きちゃうわ。花なんて･･･」
『･･････』
いよいよ、返す言葉を見つけられなくなった。
うわ言のようにそう呟いた彼の表情が、あまりに悲しそうだったから。
私が安易に踏み込んではいけないような、これ以上深追いしてはいけないような、そんな空気だった。
すると、店長はあからさまな咳払いを一つして、最後の一口のエクレアを口に詰め込むと、コーヒーをズズズと啜る。
「はぁ〜、ごちそうさん！ありがとうな！」
『い、いえ』
「まだ、ゆっくり食べとってもええから。じゃあ、お疲れさん」
そそくさと立ち上がった店長の声色はいつも通りの元気なそれで、さっきまでの空気が嘘のようだった。
気のせい、だったのかな･･･？
もしかしたら、店長のいつもの冗談だったのかもしれない。
『はい、お疲れ様でした』
売り場へと消えていく店長の背中に、私はポツリと声をかけた。
静かに啜ったコーヒーが、やけに苦く感じた。
オジギソウ･･････1月26日の誕生花
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めめこ(プロフ) - ゆきさん» 励みになるコメントありがとうございます！✨ 更新頑張りますので、これからもお話を楽しんでください😊 (4月9日 18時) (
レス) id: ca01f690f5 (このIDを非表示/違反報告)
ゆき(プロフ) - めめこさんの書くお話が、占ツクに投稿されているお話の中で一番好きです。更新楽しみに待っています。 (4月4日 19時) (レス) @page42 id: 159543e1b4 (このIDを非表示/違反報告)
めめこ(プロフ) - アッキーナさん» 読んで頂きありがとうございます！嬉しいお言葉です✨ (2月8日 7時) (レス) id: ca01f690f5 (このIDを非表示/違反報告)
アッキーナ(プロフ) - 素敵なお話すぎて一気に読んでしまいました！この先の展開楽しみにしてます。 (1月31日 16時) (レス) id: ee5b45e1af (このIDを非表示/違反報告)
めめこ(プロフ) - 海嵐さん» ありがとうございます！今後の展開も楽しみに読んで頂けたら嬉しいです！ (1月6日 18時) (レス) id: ca01f690f5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：めめこ | 作成日時：2023年12月29日 19時
