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突然の事に訳がわからず、私の視線はスマホとその人とを何度か往復した。
「もう埒が明きません。ちょっとアナタからも説得してください」
『え･･･？』
私からって･･･私からいったい何を説得しろと言うのか。
この部屋を彼らに譲れと？
しかしそれは、私もこの部屋を出ていかなくてはいけなくなる。
そんなのは当然困るし、事更こちらから話す事など何もない。
だが、その気迫に押された私は嫌だとも言えず、渋々と差し出されたスマホを手に取った。
『もしもし･･･』
(あ、A〜？なーんか大変な事になってるねぇ)
まるで他人事のように電話口で笑っている従姉妹に、私は思わず頭を抱えた。
『笑ってる場合じゃないよ。どうするの？私、いきなり出ていくなんて出来ないよ･･･』
どうか、この部屋は貸し出せないと、きっぱり言ってくれないだろうか。
私の意を汲み取ってくれと祈りながら、無意味とはわかりつつ電話の向こうへ必死の懇願をする。
こちらをジッと注視する3人の視線に、緊張とプレッシャーで今にも押し潰されそうだ。
すると、電話の向こうから「ん〜･･･」と唸る声が聞こえた。
それから少しして、パチンと指を鳴らす音が響くと、嬉々とした従姉妹の声が返ってくる。
(じゃあ、半年したら全員出てってよ！)
『･･････』
「･･････はあ？」
「･･････どういう意味や」
私は絶句し、向かいの2人は首を傾げ、管理会社の人は頭を抱える。
誰が住む権利を得るかで揉めているというのに、全員が出て行けとは、いったいどういう事なのか。
この場の全員が困り果てた空気になり、私は身内という立場上、仕方なく詳しい説明をするよう促した。
(半年後には私もまたそっちに戻るから、その部屋空けといてほしいんだよね。そのかわり、それまでは家賃タダでいいからさ)
"タダ"
その言葉に、2人が微かに良さそうな反応をするのが伺えた。
しかし、そこで割って入ったのは管理会社の人だ。
「いやいや、何を仰ってるんですか！それじゃあ、私達の方に何の収益も入らなくなるじゃないですか！」
それは、確かにこの人の言う通りだ。
仲介業者として、そもそもの家賃収益が取れなければ一文の利益も出す事ができない。
住む側の人間からしたら有り難い話かもしれないが、管理会社からしたら到底頷ける話ではないだらう。
すると、やれやれと溜息混じりに、従姉妹が話を続けた。
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めめこ(プロフ) - 匿名さん» 癒やしだなんて･･･！こちらこそ、ありがとうございます！ (2022年4月3日 8時) (
レス) id: ca01f690f5 (このIDを非表示/違反報告)
匿名 - 夜な夜な作品読ませていただいています、日々の癒やしです、ありがとうございます！ (2022年3月30日 2時) (レス) @page45 id: d8f1726f33 (このIDを非表示/違反報告)
めめこ(プロフ) - みーこさん» まさにうちキュンに影響された作品です(笑)引き続き応援よろしくお願いします！ (2022年2月21日 22時) (レス) id: ca01f690f5 (このIDを非表示/違反報告)
みーこ(プロフ) - うちキュンですね♡何か本当に頭の中にこのストーリーの映像が浮かびます(^^)応援しております！ (2022年2月20日 23時) (レス) @page24 id: bdc8ba7bac (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：めめこ | 作成日時：2022年2月11日 20時
