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結局、大倉さんが指定した場所に、マネージャーさんと思しき人は現れなかった。
きっと移動手段は車だろうから、もしかしたら交通状況が悪くて遅れているのかもしれない。
相手の連絡先も知らないし、もう少しだけ待ってみよう。
そんな理由付けをしては、私はバカの一つ覚えみたいに、ずっとその場で待っていた。
途中、大倉さんへ電話を掛けてみたりもしたが、それが繋がる事はなかった。
家の近くだし、すぐに戻るだろうと思って傘も持たなかった。
降り出した雨に打たれながら、一旦家に戻るかも迷ったが、その間にマネージャーさんが来てしまったらと考えたら、ますます身動きが取れなかった。
傍から見たら、きっといい笑い者だっただろう。
それは自分でもわかっている。
けれど、大倉さんが困るかもしれないと思ったら、踵を返すなんてできなかった。
そしてその結果、
『しんど･･････』
案の定、風邪を引いてしまった。
目が覚めたら、時刻は9時半。
丸山さんの生番組を見逃してしまった･･･。
私は心の中で彼に詫びを入れ、ベッドからのそりと起き上がる。
『ケホッ･･･』
小さな咳をすると、頭にズキズキとした鈍い痛みが走る。
とりあえず水だけでも飲もうと、私はふらつく足でキッチンへと向かった。
廊下に出たところで念の為玄関を確認すると、大倉さんの靴がちらりと見えた。
良かった。カードーキーは見つかったようだ。
そして、壁を支えに冷蔵庫まで辿り着くと、3人分に区切られた庫内から、己のミネラルウォーターを探す。
ついでに軽く胃に入れられる物でもあればと思ったのだが、自分が使っているスペースには、ミネラルウォーターのペットボトル数本と、いつ開封したのかも分からないジャムや調味料の容器がいくつかあるだけだった。
それに比べ2人のスペースには、色々な食材やお高そうな調味料等がきちんと収まっていて、自身の雑な食生活を思い知らされる。
だが、包丁もまともに扱えない料理下手な私が、これだけの物を揃えたところで無駄にしてしまうのは目に見えていた。
とは言え、今の状況を考えると、自分の自炊能力の無さが悔やまれる所だ。
『はぁ〜･･･もういいや』
私は一つ深い溜息をこぼし水だけを手に取ると、諦めて冷蔵庫のドアを閉めた。
そしてペットボトルのキャップに手を掛けるが、力が上手く入らず、普段ならなんて事のない動作にも手こずる。
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めめこ(プロフ) - 匿名さん» 癒やしだなんて･･･！こちらこそ、ありがとうございます！ (2022年4月3日 8時) (
レス) id: ca01f690f5 (このIDを非表示/違反報告)
匿名 - 夜な夜な作品読ませていただいています、日々の癒やしです、ありがとうございます！ (2022年3月30日 2時) (レス) @page45 id: d8f1726f33 (このIDを非表示/違反報告)
めめこ(プロフ) - みーこさん» まさにうちキュンに影響された作品です(笑)引き続き応援よろしくお願いします！ (2022年2月21日 22時) (レス) id: ca01f690f5 (このIDを非表示/違反報告)
みーこ(プロフ) - うちキュンですね♡何か本当に頭の中にこのストーリーの映像が浮かびます(^^)応援しております！ (2022年2月20日 23時) (レス) @page24 id: bdc8ba7bac (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：めめこ | 作成日時：2022年2月11日 20時
