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「え、どうしよう。声かけてみる?」
「待って。超イケメンなんだけど!?」
あら、渉の方が早かったのですね。それにしても、些か注目を集めすぎでは?
「渉。待ちましたか?」
「A!待ってなどいませんよ。五分前に来たばかりですから。あぁっ!今日も綺麗ですね」
「ふふ。有り難うございます」
昨日、渉がリクエストしたのはパンツスタイル。なので、今日のコーデは白のワイドパンツに黒のトップス
髪はきれいな細工が施された紫のバレッタでハーフアップに。アクセサリーはアメジストが嵌め込まれた、ピアスとネックレス。格式高い劇場に行くので、上品に纏めることを心がけました
「では、行きましょうか。私の王子さま?」
「えぇ。Myqueen」
相変わらずのノリの良さですね。何故、女王なのかは謎ですけど
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「あぁ!何と悲しいオペラ座の怪人に、美しいクリスティーヌとラウルの愛!Amazing!!!」
「本当に、渉はオペラ座とロミジュリが好きですよねぇ」
私も好きではありますけど、灰被りの方が好みです
「次はどこに行くのです?決まってないのなら、私、あおうみ水族館に行ってみたいのですが...」
「あおうみ水族館と言えば、奏汰先輩のご実家が経営されている水族館でしたよね?」
「えぇ。なんでも、『みんなかわいいので、ぜひ、みにきてください〜』らしいですよ」
...私、常々思っているのですけど、奏汰先輩の『かわいい』は『美味しそう』と同義ではないでしょうか?だって、この前、十分前には可愛いと言っていた魚を、にこにこと笑顔で捌いていたのですよ?
「流石の、奏汰先輩でも、水族館の魚は食べませんよね.....?食べたとしても、其は其で、一興ですが」
「そうですねぇ。ですが、奏汰のアレはトラウマものです。なにせ、数分前に可愛いと思った魚が、数分後には己の胃の中なのですから」
颯馬くん、最初少しだけ泣いてましたもの。私も二度見しました
「わぁ...渉。海月ですよ。綺麗ですねぇ。私、昔から海月が海の動物の中で一等好きなんです」
目を離したら、何処かに消えてしまいそうで、でも、目を離すのも惜しいほど綺麗で、
「まるで、渉みたい。だからね。私は、海月が一等大好きなんですよ」
「私は、クリオネですかね。流氷の天使等と呼ばれるほど美しい見た目をしていますが、生きるために、その美しい姿を脱ぎ去る。Aも、そういうところがあるので、愛着がわきますね!!!」
...こう例えられると、嬉しいものですね
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作者名:月うさぎ | 作成日時:2022年2月21日 13時