はち ページ9
「....相変わらずすげ〜な」
「Amazing.....」
「『あっかん』の『ぱふぉーまんす』ですね〜」
二人のパフォーマンスに声も出ないほど圧倒された夢ノ咲の生徒達。感想を発することができたのは、三奇人の面々くらいなものであった。
「ふふ。お褒めいただきありがとうございます。さて、ここからはフリートークの時間と致しましょう。」
「僕たちの話でもする?みんな知りたいことも多いだろうし。」
「ふむ、いいかもしれませんね。では、家族の話をしましょうか。改めまして、私は夜神麗月。元朔間麗月で、零、凛月の実兄です。いつも弟達がお世話になっております」
にこり。と美しい笑みを浮かべて爆弾を落とした麗月
夢ノ咲の生徒たちの顔が驚きに染まるのを見て、爆弾を落とすきっかけとなった時雨は小さく吹き出していた
「ふっ……ふふっ……みんな驚きすぎでしょ……あ、ちなみに僕は、去年まで夢ノ咲に在籍していた巴日和の従兄弟で、巴の分家の出だよ」
よろしくね。とひらひら手を振った時雨には、再度驚愕の視線を送る者と、知っている。とばかりに頷く者の2通りに反応が別れた
「それに、私達は夢ノ咲の生徒でもあったんですよ。私も時雨もアイドル科では無く、音楽科ですが」
「麗月はフルート、僕はヴァイオリン専攻でね。発表会で一緒に演奏したのが最初だったかな?」
「そうですねぇ……最初から音の相性は良かったのですけど、タイミングが合わなくて大変でしたよね」
当時を懐かしむように、目を細めながら2人の出会いを語る麗月
「あぁ……普段ゆったりとした曲調の曲が多い僕と、速めの曲調の曲が多い麗月のペアだったからね」
「えぇ。面白いくらいにほんの少しだけずれてましたよね。おそらく一秒にも満たないずれだったとは思いますけど」
「一秒にも満たないずれでも、曲が終わる頃には何秒にもわたるずれになってってね。結局完璧に合わせられたのは本番三日前。大変だったよねぇ」
しみじみと時雨が呟いて、その横でにこにこと麗月が笑い、次の言葉を告げる
「まぁ、そのお陰で一年生ながらに定期発表会で優勝できたのでしょうけど」
その言葉に音楽科の競争の厳しさ、苛烈さを知っている者は驚きの息を漏らす
「ふふ。じゃあ、今日の話はこれくらいにしておこうかな」
「そうですね。私たちもそろそろ体が辛いですし。あぁ、そうだ」
trickstar、あなた達には期待していますよ。そう言って彼らは舞台の上から降りていった
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作者名:月うさぎ | 作成日時:2021年11月20日 15時