流石に一旦まずったかも。 (ページ38)

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33.もちもちページ38

休み時間になり、カラカラと仮眠室の扉が開く。

『ローレン・イロアスだ。』

特徴的な赤髪に高身長。私と違いベストを着ている
もちろん、そのベストには筆記体で書かれたSの文字

「相変わらずフルネーム呼びですやん」

「俺一年だから返却されたんですけど元気そうすっね」

ちょっと不思議な喋り方をしている
こいつには毎回戸惑う。

「待って？うちもいるよ？」

なんで返すべきか迷っていれば
ローレンの後ろからひょっこり出てきたのは
去年お世話になった椎名唯花だった。

『しいちゃんだ…』

「そうよ〜？あんたの大好きなしいちゃんだぞ？」

『しいちゃんSクラスなんだね。』

「無視マ？椎名さん大好きやん俺は？？？？」

「せやねん、AEクラスやったんやろ？」

「うーん、フル無視。
てかクラスって同年度で変わることあるんすか」

『んー、なんか命救ったらクラス上がった。』

「でもAなんや？！ま、Aもまだまだってことやな」

話を聞いていればどうやらかれこれ私が眠ってから２日が経っていて、そんな私をしいちゃんとローレン・イロアスは迎えにきたらしい。

なんで気づいたんだ。と思いつつそばにあったコウモリのシルバーネックレスをポケットに入れ立ち上がった。

『でも、君たちSクラスなのにAクラスの人間迎えにきていいの？』

「面識ありだし、今回はAのおかげやからセーフ！」

「マ、俺はサボりなんすけどね」

けろっというローレン・イロアスに顔を顰めながら
しいちゃんの腕を持ち引っ張った。

そしてローレン・イロアスを仮眠室に放置したまま、
教室へ戻るのだった。

「置いてくマぁぁぁあ！！！？」

なんか叫んでるが知らない。
しいちゃんが汚れてしまうので、逃げます。

「まって！？はやない？まってや！ちょいちょい！！！」

『ごめん、』

「まー、ええけど。なぁ？ローレン割と話しやすかったら？」

…まぁ、確かに他のやつよりは話しやすかったかもしれないけど。

『嫌い。』

一刀両断した私にしいちゃんはまたケラケラ笑うのだった。