44 ページ44
.
_______祐也side_______
彼女にどうしても見せたかったこの景色。
白くて綺麗な砂浜に二人並んで座って
海の中へ沈んでいくかのような
赤い夕焼けを見つめる。
彼女は
俺の彼女はこんな景色にも
「 ほんとに綺麗… 」
涙を流せるぐらい心が綺麗だから。
手「 見せれてよかったよ 」
「 …ありがとう 」
忘れられない思い出を
いや、違う
どうか忘れられないようにと
君の中に自分の思い出を作った。
手「 A、今日渡した指輪だけど 」
「 うん、何？」
手「 お互い嫌いになるまで離さないでおこうね 」
え？と
この数日間何度も見た 意味が分からないというような顔をまた見せる。
最近俺の言葉に、よく疑問を持ってるみたい。
手「 …笑
気にしないでいいよ、離さないでねって意味 」
「 …分かった 」
Aへと向けていた視線を夕焼けに戻すと
彼女も暫くは見つめられていたけど前を向いた。
もう、夕焼けが沈んでしまう。
長い一日のうち ほんの少しだけ表れるもの。
短いけれど
この夕焼けは必ず明日もやってくる。
それは約束されているもの。
いいなあ…なんて
羨ましく思ったって仕方の無いことなんだけど。
そうして、少し暗くなった頃
見た来ていた他の観光客もゾロゾロと帰り出した。
手「 A、行こっか 」
夏は暑いけど 暗くなると少し肌寒い。
立ち上がって手を出しても
一向に動かない体
手「 …A？」
変な胸騒ぎに 急いでしゃがんで顔を覗き込むと
携帯を握りしめていて
画面には俺たちのツーショット写真があった。
手「 …A、何で泣いてるの 」
そして 静かに涙を流してる。
手「 A、なんで？」
いつものように優しく頭を撫でても
こっちを向きもせず、微笑んでもくれない。
手「 お願い、こっち向いて 」
頼み込むように 少し低めの声を出すと
涙で少し赤く潤んだ目を
ゆっくりとこちらに向けた。
「 祐也くん…っ 」
「 祐也くんは、いなくなっちゃうの…っ？」
もしかしたら気付いていたのかもしれないけど
俺はまだ
その答えを返せはしない。
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 413人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「ジャニーズ」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
葵ゆき - １つお願いが。まだまだ新米ですが小説が書こうと思います｡で、少しこのお話に似てしまうと思うのですが、このお話の名前を小説に出していいか聞きに来ました。。 お返事待ってます。 (2019年4月6日 22時) (
レス) id: 4e7532b7f3 (このIDを非表示/違反報告)
真子(プロフ) - きみえさん» きみえさん、コメント嬉しいです！ありがとうございます〜！！(≧▽≦) (2018年10月5日 22時) (レス) id: c5ebfa47eb (このIDを非表示/違反報告)
きみえ(プロフ) - 切ない、、、大好きな作品です！！続編楽しみにしています！！これからも応援してます！ (2018年10月5日 22時) (レス) id: 07ca606d01 (このIDを非表示/違反報告)
真子(プロフ) - きたにかこやまさん» きたにかこやまさん、コメントありがとうございます。無事こちらは完結しましたが、まだまだ続くのでぜひ応援してくださると嬉しいです（＾_＾）！ (2018年10月5日 21時) (レス) id: c5ebfa47eb (このIDを非表示/違反報告)
真子(プロフ) - ナナしさん» ナナしさん、何だか読まれてしまってコメントを返せずにいました。ごめんなさい。私的にこの小説はもっと続けたいので最後まで見守ってくれると有難いです。（＾_＾） (2018年10月5日 21時) (レス) id: c5ebfa47eb (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：真子 | 作成日時：2018年8月13日 2時
