誰の子だって愛しい子 (ページ14)

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Part12 ページ14

～ユキside～

今、ママが倒れて角の生えたお兄さんが
ママを連れていこうとしてる。
ダメだ。ママは連れていかせない。
ママは僕が守らなきゃ。

ユキ「まってっ！！ママを連れて行かないで！！」

リリ「ｸｸ大丈夫じゃよ。
お主のママはお熱があるようじゃから
少しお手伝いをするだけじゃ。」

ユキ「お手伝い？」

リリ「お主もママの看病手伝ってくれぬか？」

ユキ「てっ、手伝う！！」

リリ「いい子じゃな。おいで。」

小柄な方のお兄さんは手を広げた。
僕を待っているようだ。
僕は小柄な方のお兄さんの胸に飛び込んだ。
お兄さんは暖かくてママみたいだった。

そして、角の生えたお兄さんが何かを唱えると
瞬間移動した。
そして見えたのは木で出来た大きなお家。

ユキ「ここは？」

リリ「…お主とママのために用意しておいた家じゃ。」

ユキ「僕とママのために？何で？」

リリ「それは、また今度じゃな。」

マレ「リリア、この部屋で良いのか。」

リリ「うむ。そこで良いじゃろう。」

角の生えたお兄さんはママをお姫様抱っこしたまま、
1つの部屋に入っていった。
僕も小柄なお兄さんに抱っこされて、同じ部屋に入った。

入った部屋は可愛らしいがシンプルな部屋で
角の生えたお兄さんはそこにあるベットに
ママを慎重に寝かせた。

ユキ「ママ、大丈夫なの…？」

マレ「ただの風邪だ。心配は要らない。」

角の生えたお兄さんはそう言う。
あ、そうだ。
ママに挨拶は大切って教わったのに忘れてた。

ユキ「あ、あのね…
ママに挨拶は大切って言われたから言うね？
ユキって言います…4歳です…
好きな食べ物はママのクッキーです…」

リリ「挨拶が出来て偉いのぅ！
わしはリリア・ヴァンルージュ
リリアでも好きに呼んで構わぬ！
それで、角が生えているのがマレウスじゃ！」

ユキ「リリア！マレウス！いい名前だね！」

「「！？」」

リリ「ｸｸｸ矢張り親子じゃな。」

そう言ってリリアは僕の頭を撫でた。
どうやら僕とママが似ていたみたい。嬉しいな。