ルック・アス【掃き溜めの星】 (ページ10)

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俺の過去6【黒柳暗亥】ページ10

「………」

また、1日が終わった。

硬い地面に横たわって目を瞑る。

いつ起こされて連れて行かれるか分からない。

身体を震わせながら、必死に夢を見ようとする。

誰かの足音が近づく。

ヒタヒタと冷たい地面に足を付け、俺の前で立ち止まる。

…俺は、終わったのか………？

ここに何年いるかは分からないが、多分今の自分は14歳程。

まァ、生きられた方だろう…

そんなことを考えていたが、大人の連れていく相手は、俺じゃなかった。

「行くぞ白咲」

……練磨だった。

薄らと目を開ける。

練磨が腕を掴まれ、部屋から連れ出される所が見えた。

とても悔しく、悲しく、憎らしかった。

何よりも、目の前で連れて行かれ、気付いているのに、何も出来ない自分が、許せなかった。

練磨が連れて行かれて数分経った。

もう大人も寝たのか、させられ場は寝静まっていた。

そんな中、大きな声が響く。

叫び声だ。辛く、泣き喚き、苦しんでいる。そんな声。

練磨の声だ。

大人に連れていかれた時、何をされるかは様々だ。

売られる時もあれば、遊びやストレス発散に使われる時もある。

練磨が、戻ってきた。

目元が赤い、泣いた証拠だろう。

そして、頬は腫れている。打たれたんだ。

「…黒柳くん…起きてたんだ……」

「…ごめん、ごめんな………」

練磨を抱き寄せ、ただ撫でてやる事しか出来なかった。

少しだけ、練磨の背中が服を挟んでいるのに、暑かった。