【GIOGIO】Pisello odoroso【5部】 (ページ9)

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Story06 ページ9

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パッショーネ…特に支部ではなく、ここ本部には

様々なチームが存在し、中でも一際潜入の際に

世話になるのが、ここ"潜入専門チーム"。

またの名を"Stanza dei costumi(衣装部屋)"である。

潜入をする者は皆、外出前には

決まってここを訪れることが

規則となっており、専門チームによる

コーディネートを受け、"彼"に挨拶をしてから

仕事へとでるのだ。

もちろん、ミスタとAも例外ではなく

この部屋に寄ったのはいいのだが、

なかなかにAがでてこない。

『同じ時間に入ったよな？俺たち』

廊下でいい加減待っていれば、

彼のスタンド達が彼女を見つけ、ミスタに知らせる。

『Aダ！！』

『イヤ、アレハ違ウ！！アンナニ髪ガ、長イワケナイ！！』

彼らの言うことも最もであり、こちらに向けて

歩いてくる女性は普段の彼女とだいぶ、

印象が異なる。

『おいおいおい、一体なにがどうなってんだ？！』

実の妹に一瞬でもどきりとした自分に

驚いた。

いや、それほどに普段と印象がちがうということが言いたいのだが。

｢ごめん、お兄ちゃん！！待たせたよね！！｣

カツカツとヒールを鳴らし、走ってくれば

転びそうになるAを抱きとめる。

｢転ぶかと思った…ヒールとか慣れないから今日は苦労するかもなぁ｣

｢ありがとね、お兄ちゃん｣

そうにこりと微笑む彼女と目が合えば

不意に目をそらす。

だが、彼女はというとそんなこともお構い無しに

ミスタの手をひき、歩みを進めるのだ。

『髪…それ、ヅラか？』

｢なっ…いや確かにそうだけどもっと言い方あんじゃあないの？｣

『え？あ、ああ、そうだな！！』

｢なにお兄ちゃん、もしかして照れてるの？｣

『ミスタ、サッキカラAノコト見スギダゼ！』

『A、髪ガ長イノモ、ナカナカ、イカシテルゼ！！』

『こら、お前ら余計なこと言うんじゃあねえよ//』

｢あはは！お兄ちゃんと違って、ピストルズは素直だねー！｣

『な！！』

そんな、彼女に呆気に取られていれば、

それじゃ、お先にー！

と、ピストルズと共に走り出すA。

『あ、こらっ、A！裸足で走ったら危ねぇよ！！』

そう慌てて追いかければ、ヒールを片手に走る

Aを追いかけミスタもまた走るのだった。