Story44 ページ48
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玄関先まで杜王町のふたりを送れば、「明日迎えにくるから！」と
声をかけ、その場をあとにするジョルノとA。
アルコールが入り、ほっこり体があたたかいからなのか
外へでれば吹き抜ける風がとても心地よい気がした。
ふと彼の手を握り、腕へとぴとっとくっつけば、くすりと笑うジョルノ。
彼もまたそんな甘えたな彼女に満更でもなく「帰りましょうか」と微笑んでみせるのだった。
『明日の仕事、今のところ危惧されるようなことはなさそうだけど、Aが関わると普通の案件じゃあなくなるから、心してかかること』
「そんな疫病神みたいに言って、、確かにちょっとは引き付けてる自覚はあるっていうかさ？」
『それほど心配なんだよ、君が大切だから。僕にとってかけがえのない存在だから』
空を見上げ、そうつぶやく彼の横顔をみてしまえば言葉を失う。
『今夜は星が綺麗ですね』と笑ってみせるそんな彼に「そうだね」と微笑むのだった。
「帰ったら、話し、いろいろ聞かせてね」
『もちろん。僕も話したいと思っていたし』
歩みを進めれば、久々に訪れるAの自宅。
だいたいいつもはジョルノの家に泊まることが多いのだが、今日は
場所の位置関係的に近かったのもあり、彼女の家へと泊まることと相成ったのだ。
『なんだか久しぶりにきたような気がします』
「最近また忙しかったしね、エスプレッソいれるから先に奥行っててね」
彼女の背を見送れば、奥へと歩みを進める。
依然と来た時とは異なり、ミスタと小さい頃に撮ったのであろう写真の隣には、
手縫いで作られた僕たちのスタンドのぬいぐるみが置かれていた。
『やはりAは器用だ…スティッキーフィンガーズまでいますね』
自分のスタンド、GEを手に取れば『へぇ』と声をもらす。
飾り棚の上に飾られたスタンドは、彼にとっては少し物足りず
少しさびしさを覚えるのだった。
『(当たり前だが、エアロスミスとムーディブルースがいないのはやはりどこかさびしいですね)』
手にとったぬいぐるみを戻そうとすれば「それよくできてるでしょ！」と声をかけられた。
『ええ、とてもよくできてます』
「にしては浮かない顔だけど」
『え？』
「ジョルノくんはひとりでいろいろ抱えすぎなんじゃあないのー？ってね」
はいどうぞ、とにこりと微笑まれればエスプレッソを差し出される。
『なんだその呼び方どきりとしますね』
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作者名：松雪 | 作成日時：2019年6月13日 17時
