Story28 ページ31
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『なんだ？！今の声はよぉ！』
『ていうか、銃声聞こえなかった？！』
｢よりによって…間が悪かったみたい、こんなこと最近はパッたりだったんだけど｣
外での様子を伺えば、街中で暴れている者や
巻き込まれている周囲の市民など様子を伺う。
｢ちょっと行ってくるから、待っててもらってもいいかな｣
と、ミラー越しに困ったように笑う彼女と視線を通わせれば｢えっ？｣と思わず面食らう。
『でも、Aさんは一般人、危ないよ！！奴はおそらくスタンド使いだ！！』
『俺たちも加勢するぜ、事情はわからねぇけどよ』
｢ふたりとも…｣
『事情はわからなくたって、どっちが正しいかくらいはわかるぜ』
そんな彼からAは、ジョルノと同様の"黄金の精神"を見出し、小さく微笑む。
｢グラッツェ、でも大丈夫。2人はお客様だから。それに、あれじゃあすぐに終わると思うから｣
『すぐって、確かにそこまでやばそうな相手じゃあなさそうだけど』
『まさか…！』
｢ご名答、私もふたりと同じスタンド使いなのよ！車だけよろしく、壊したら怒られちゃうからさ！｣
車を飛び出せば、渦中の者の元へと走るA。
その身のこなしは以前のそれとは考えられない
まるで数々の戦いをくぐり抜けてきた、そんな感覚を思わせる。
『おい、もしかして、すげぇ強ぇんじゃ』
そんな彼女の姿に見惚れていれば、仲間と思わしき、男と合流したところを見て、
ほっと胸をなでおろす2人なのだった。
『A？！なんで、お前、アイツらを迎えに行ったんじゃあなかったのかよ』
｢うん、あそこに待たせてるよ。でもなんだかお兄ちゃんが手こずってそうだったから｣
『手こずっ…いいや？お兄ちゃんはひとりで大丈夫だぞ？』
｢でも、2人でならもっと早く片付く。ピストルズがお腹減っちゃってだめなんでしょ？｣
今、お昼時だしね、とにこりと笑って見せれば、なんでもお見通しなところまで似てきたかぁ？と呆れるミスタ。
｢仲良い"夫婦"ほど似るって言うしね…！｣
『おい！まだ結婚は認めてねぇからな？！』
相手の攻撃をはねかえせば、相手との間合いをつめつつも会話を続ける。
『奴の能力は、要は協力なバリアだ。人質を連れてるのが厄介でなかなか撃てねぇ』
『あんなバリア、お前なら余裕だろ？』
｢もちろん、任せて｣
そんな彼女の背中を見送れば、
"我が妹ながら惚れるぜ"とにやりと笑うミスタであった。
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作者名：松雪 | 作成日時：2019年6月13日 17時
