【GIOGIO】Pisello odoroso【5部】 (ページ30)

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Story27 ページ30

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「市内まで18万リラでどう？」

『18万…ってぇと１万くらいか。高いよ！本場は半分くらいでしょ！』

「へぇ…本当に言葉ぺらぺらなんだ。やっぱりまだまだいろんなスタンド使いがいるのね」

『康一、なんて言ってるんだ？俺にはなんとなくタクシーの話しをしているようにしか』

『ああ！！思い出したぞ！！前に、ジョルノとここで会った時にもこんなやりとりを…っていうことは君は！！』

「はい、初めまして。A・ミスタといいます。"ジョジョ"の代わりに今日は私がお迎えを」

「貴方が広瀬康一くんで…そちらが東方仗助くんで間違いないかな？」

わかりやすいってぇ、そういうことか…ジョルノの奴…

でも、この女性(ヒト)からは怖い感じが全然しないや。

『とりあえず一安心かな…うん、僕が広瀬康一だよ、それでこっちが』

『お？東方仗助ッス、よろしくな』

「あれもしかして、"岸辺露伴"に能力を使ってもらってないの？」

『うぇっ？なんでそれを』

「なんとなく反応が康一くんより遅れてるから…ふふ、なんだかおもしろそうな事情がありそうだけど、とりあえずは」

「こうならわかるかな」

にこりと微笑めば、つらつらと日本語を話しだすA。

そんな彼女の様子に更に驚く二人を目にすれば「どっきり大成功かな？」と

内心レイピアとほくそ笑む彼女なのだった。

『グレート。日本語ペラペラなんスね…驚いたわ』

『本当だ、なんだか安心するよね。海外で日本語聞けると…でもなんで、ペラペラなの？』

「ぺらぺら？本当に？…ふふっ、私の"彼"が日本(ジャポーネ)とのハーフだから」

「どうせ語学を勉強するなら、彼の母国の言葉から学ぼうかなって…って、そうじゃなく！二人とも敬語なしでよろしく」

なんだかムズ痒くって…と笑ってみせれば、了承してくれるふたりに楽しそうにわらってみせる。

まあ、一番近くに敬語を使う存在(ヒト)がいるんだけどね。

車を走らせれば、日本の話しや初めて康一が

ジョルノと会った時の話し、会話は尽きることはなかった。

ちょいちょい危険な運転に肝を冷やす2人ではあったが

免許とりたてでと困ったように笑ってみせる彼女を前にすれば

なぜか許せてしまうのだからどうしようもない。

そんな平和な時間も束の間、ネアポリスの街に入れば聴こえる断末魔のような叫び声に

3人は即座に反応するのだった。