【GIOGIO】Pisello odoroso【5部】 (ページ24)

今日:4 hit、昨日:3 hit、合計:19,598 hit

Story21 ページ24

.

彼女を見送れば、久々に昔のことを思い出したな、と思いにふける。

そういえば、承太郎の奴がジョルノについて

以前調べに来ていたようだが、

それは取り越し苦労だと伝えるべきか。

いや、それは再び連絡をとる名目にしかならない。

それに、奴は自分の目で見極めて決定をくだすタイプの人間だ。

ならばわざわざ連絡をとる必要も無いだろう。

承太郎とジョルノ…2人が会うことはあるのだろうか。

エジプトでの写真を手に取れば、

ただ漠然とそんな思考を巡らすポルナレフであった。

◆

亀(ココ・ジャンボ)の中から外へとでれば、出た時の不思議な感覚に足を滑らせる。

おっと、と抱きとめてくれた彼にお礼を伝えるA。

『随分と楽しそうでしたね』

｢うん、ポルナレフさんからいろいろお話しを聞いて元気出た｣

『なんだか妬けますね』

｢ふふ、それはどうも｣

『何喜んでるんですか』

そう呆れ笑うジョルノは仕方ないですね、と

彼女の髪を撫でる。

そんないつもの感覚に目を細め、心地よさそうにするAは、珍しく彼に甘えるのだった。

『A？今日、うちに来ませんか？』

｢うん、いろいろ話したいこともあるし｣

『そこは、"一緒にいたいから"だとかじゃないのか』

｢それは当たり前。いつでも私はジョルノといたいよ｣

『っ、君って人は…どうしてそんな堂々とできるんです？』

｢ジョルノもなかなかにそうだと思うけど…私のこと言えるかな…｣

『そうかな？』

｢私たちお互いに自覚ないんだね、お兄ちゃんとかフーゴに突っ込まれそう…そうだ、フーゴにちゃんと謝らないと｣

『公然と"好き"だと告白してましたね』

｢そこ？｣

『むしろそこ意外どこを突っ込めばいいのか教えて欲しいんだけど』

気付けば距離を詰められ、相手の息遣いがわかるような距離感。

そんな吸い込まれそうな彼の瞳に見つめられてしまえば、

手を握られる感覚に心の奥が暖かくなるのを感じる。

そんな二人の間に挟まれてすっかりと存在を忘れられてしまっているポルナレフに

"お二人さん仲がいいのは結構だが、私の居場所がなくなるのだが？"

と呆れ笑われる。

そんな平和な午後の1ページに、幸せをかみしめるAなのであった。