【GIOGIO】Pisello odoroso【5部】 (ページ19)

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Story16 ページ19

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街も寝静まるそんな時刻。

仕事も終え、眠りにつこうかというそんな時だ、

静まり返った空間に響く着信音。

着信先の名前をみればなんとも嫌な予感がする。

彼らの帰りは明日のはず…今日かけてくるということはなにかあったのだろう。

相手のスタンド能力も踏まえて、

彼女の髪留めに能力(チカラ)を使ったが…。

一呼吸おき、電話をとれば血相変えたミスタの声が受話器ごしに響く。

予感がしていただけまだ心の準備ができていた彼は

次々と指示をとばし事態の収集をつけるのだった。

『顔色が悪い。Aが戻ったら声をかける』

『それまで休むんだ。少し眠るだけで気休めにはなる』

『そうですね…ポルナレフさん』

珍しく参っているのかソファへと横になれば、

眠りにつくジョルノ。

その最中、フーゴは現場の収集をつけるべく、

現地へと向かっていた。

一方、ミスタとAが帰還したのは、日付が変わるそんな時刻。

意識を失っている彼女を医療班の元へと連れていき、診断を仰ぐ。

結果は異常はなく、身体の調子も悪くないとのことだが、

如何せん、強いショックを受けたからか

精神的な打撃が大きいのではないかという結論に至る。

点滴をうたれ、ベットで眠りにつく彼女の

手を握り沈黙するジョルノを見守る

ミスタはというと彼の様子を伺えば

『ブチャラティに会ったみてぇなんだよ』

と、言葉を発する。

そんな彼の言葉に目を見開けば

『どういうことですか？』と戸惑いを隠せないジョルノ。

『奴が言っていたことだから、どうだかわからねぇ』

『俺にはブチャラティの姿は見えなかった』

『だけど、Aを抱きとめたとき確かにそこに"なにか"いた』

『懐かしい感覚だった…変な気分だぜ』

『けどよぉ、本当にそうだとしたら相当ショックを受けたよな』

そんな悔しそうな彼の様子をみれば、

『ミスタも今日はもう休んでください』

とやさしく…まるで諭すように告げるのだった。

『君も相当疲労しているはずだ、しっかり休んでくださいね』

『悪いな…あぁ、そうだ。この髪留め、お前に返しとくぜ』

『こいつがいなかったら俺はAを見つけられなかったかもしれねぇ』

また明日な、と告げれば部屋をあとにする彼の背中を見送る。

髪留めを強く握れば、

｢守れなきゃなんの意味もない｣

とひとり悔しさを覚えるのだった。