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そのままなんの気もなしに、外へ出て散歩をして


なんの気もなしに思い出したのは、昔2人で行ったプール



泳げないAは、よく俺に掴まってた



なんで泳げないのにプールに行きたがるの?って聞いたら



溺れたらスニョンが助けてくれるでしょ?って




空を見上げれば、もう星が散らばっていて



気づけば足は勝手に動いてた



着いた場所は、いつか2人で行ったプール



鍵はかかっていたけれど、柵を越えれば中に入れる


こんな夜のプールに、人は当たり前にいなくて



不気味なのに、胸が高鳴るのは走ったからなのか、それともここに君がいた記憶を描いているからなのか


またいつものように携帯を取り出して、彼女の番号にかける


それでも繋がらない電話に、昨日の声は幻だったのか、なんて




「A、俺たち、ずっと一緒だよな?」




星の降る夜空に伝えた




「もちろん、ずっと一緒よ」




今度こそ、息が詰まる




「誰も私たちを引き裂くことはできないんだから」



明らかに電話越しからは聞こえない声



それは、同じ空間に響く、ずっと恋しかったもの




「A...!」



振り返ったその時、俺の頬を優しく包んで



唇に触れたのは、紛れもなくそこにいる、愛しい人の...



気づけば俺たちは水の中にいて、夢中でキスを繰り返していた



息が苦しくなって、勢いよく水面に顔を出す



「A、なんでここに...」


「私、もう何もいらない。スニョンさえいれば、何もいらないの。だから、逃げよう?2人で誰にも邪魔されないところへ行こう」




強い眼差しでそう言うA



彼女は、両親や地位や名誉も捨てて、俺と一緒にいたいと言った



「後悔しても、知らないぞ?」



「後悔なんて、するはずないじゃない。このまま離れ離れになるくらいなら、ここで溺れし ぬ方がマシ」




水の中、ぎゅっと俺に抱きつく彼女の顔は、あの哀しい金魚じゃない



泳げなくても一生懸命にヒレを動かす、美しい金魚だった




「昨日、言えなかったことを言ってもいい?」


「うん、なに?」




「愛してる、A」





今、2人は1つに



*swimming fool__ホシ__

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作者名:アナゴ | 作成日時:2017年4月21日 23時

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