The Story of Us (ページ3)

今日:1 hit、昨日:2 hit、合計:56,767 hit

3 ページ3

私に気づいていないのか、何食わぬ顔で烏龍茶とチョコを買っている

なんでうちの学校の敷地にいたのだろう

それだけが気になって、無意識に目で追っていた

メガネくんが私の隣のレジに並んだ時、私の会計は終わっていて、そのままメガネくんの後ろを通り過ぎる

まあ、もう会わないだろうし、いっか

そう思うと、まだモヤモヤした気持ちはあるけれど、なんとなく軽くなった気分

ちょっと細い小道に入って、またタバコを咥えた

あー、これ先生に見つかったら、今度こそ停学になりそう

「あの」

突然声がして、ビクッと肩が震える

振り返ると、あのメガネくんがコンビニ袋を提げて立っていた

「今日、屋上にいましたよね？」

メガネが光に反射して、表情がよく見えない

「あー、うん。気づいてた？」

「...タバコの、匂いがしたから」

マジか、まさかあんな所まで匂いがしてたとは

今度から気をつけよう

「なんか用？」

「いや、特に何もないんだけど...」

特に何もない？

じゃあなんで話しかけたんだ？

だったら、私がずっと聞きたかったことを聞いてやろう

「なんでうちの学校の庭にいたの？」

私の質問に、やっと顔を上げたメガネくん

「...それは、猫を追いかけていて」

気づいたら私の高校に入っていた、と

「バカじゃね？」

素直な感想を言ってみる

初対面の人に優しくするほど、私は常識がない

「うん、バカなんだと思うわ」

今度こそ見えたメガネくんの顔

その顔は笑っていて、何が楽しいのか、面白いのか、私にはわからないのだ

「もう来ない方がいいよ。危ない奴ばっかりだから」

一言そう言って背を向けて歩き出すと、私に合わせて足音が聞こえる

「...なんで来んの？」

「いや、別に追いかけてる訳じゃない。家の方向があっちだから」

「あ、そう」

だけど、明らかに近くなる足音

それは遂に私の隣に来て

「一緒に帰ってもいい？」

真顔でそんなことを言うもんだから

さっきまでの笑顔はどうした、なんて

私のこと怖がらない奴、珍しいなぁと思ったり