殺し屋と解体屋の日常【Diner】

南瓜と栗のキッシュ。 ページ6

澪side


柊を席につかせ、既に私のものは注文してあるので彼女にメニューを見せた後


柊から貰った解体器具を見つめながら食事を待った



この解体器具とスキンと喧嘩する(殺し合い)とを天秤にかけてみたら



明らかにこっちの方がいい



柊殺したら、解体器具はゲットできるが爆弾となんかよく分からない薬とかがついてくる


そんなのは流石に私でも嫌だ





空腹すぎるのか、涎を垂らしそうになる柊


その姿に笑いを堪えた




『早く来ないかなぁ！』

柊｢そのうち来るよ｣

『そのうち…っていつ』

柊｢10分くらいじゃない？｣


会話が止まり、暇になった私


鋏によく似た拷問器具をナイフと同様に磨き出した

柊が持ってきただけあって、装飾も可愛い


『ボンー！』


私たちの料理の準備をしていたボンベロに声をかけると


ウェイトレスに言えとこちらも見ずに怒られた



『そこのリンゴとって、ウェイトレスちゃん』


リンゴをカウンターに置いてくれたウェイトレスは

何事も無かったかのようにカウンターの端へ戻る


それをぶんっと上に投げ


私の目の前を通る瞬間に解体器具で切り込む



そのリンゴは私の空になったシャンパングラスへ落ちた


柊｢器用なことするね｣

『うさぎちゃん可愛い』


ウェイトレスも驚いたようだ



シャンパングラスに入ったうさぎりんごに目は釘付けになっている



そのリンゴをシャクシャクと食べているとボンベロが呆れたような顔で出てくる




私はボンベロを呆れさせる天才なんだなぁと考えていれば


ボンベロが不意に消え、2分後くらいに酒を持って戻ってきた



その酒をリンゴの入ったシャンパングラスへと注いだ



ボ｢飲んでみろ｣


『…っっま！！』



口をつけた途端、レモンが使われた爽やかな果実酒とリンゴの風味が鼻に抜ける


ここは果樹園かと勘違いするほどの香りに頬を緩ませた


『柊も！飲んで！』


グラスを差し出せば、ゆっくりと口をつける


そういえば、柊未成ね……いいか(ダメです)



柊｢おいし…｣

『でしょ！』


ボ｢なんでお前が偉そうにするんだ｣





ボンも満更でもないのか頬を少し緩ませていた


ふむ、お主さては…柊を狙って…



『柊は渡さないもん！』

ボ｢全く話が読めないんだが｣

柊｢私も分からないから安心して｣



私の腕から逃げた柊は青い髪を弄り始めた



それから食事を待つ間、柊の綺麗な髪を眺めていた

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