【文スト】転生して早数年。推しに誘拐されました。【ゴーゴリ】

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「「『…………。』」」


推しの尊さと異能の格好良さを改めて再認識したが…。

とりあえず誰かこのめちゃくちゃに気まずすぎる
状況をどうにかしてくんない？？

いや､黙ってる姿も国宝級イケメンで尊いけどさ。

なんだろう……。

ドスくんとシグマくんから溢れ出る
"可哀想"や"哀れ"とか言う感情の視線は。

しかし､そんな視線を私に向けても
それでも誰も話しません。

…気まずすぎるんだけど。

私はソッと頭を軽く下に向けた。


「あ〜…。とりあえずゴーゴリが帰ってくるまで
　少し手伝いをしてくれるか？」


気まずすぎる空間を破ったのはシグマくん！

膝を曲げて私に視線を合わせてくれている。

優しすぎん？？

気遣い出来すぎちゃう？？

絶対モテるって。

顔が良くて､気遣いが出来て､その上カジノのオーナー。

……これはモテますわ〜。

私がこくりと控えめに頷くと､シグマくんは
少し微笑んで私の手を引いて歩き始めた。

………これはモテますわ〜。

大事なことなので2回言いました。

あ､ドスくんは私とシグマくんの会話を聞いて
早々にどっか行きました。

多分､書類とかするんだろうね！多分！！

カジノの裏に通され､歩いていると目についたのは
少し大きめの過ぎた日付に赤丸がついたカレンダー。

そこに書いてある日付に私は目を見張った。


『……嘘…。』


だって､そこには私がゴゴくんに誘拐された日から
約十日も過ぎていると言う現実があったから。

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