翼人戦記 SEASON1 忘れじの記憶 (ページ8)

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家族写真ページ8

rb side

グルさんに言われた後、俺は半分自分の部屋と化しているモニタールームへと足を運んだ。パソコンを起動させ、調べる言葉を打ち込んでいく。

rb｢λ国について、と･･･。成程、セキュリティカッチリしとんなぁ。全くサーバーに接続出来ひんわ。ま、これぐらい簡単に外せるんやけどな。｣

俺は12の頃から培ってきたコンピューターについての知識をフル活用してセキュリティロックを外していく。数分してロックが外れた為、ページを開いていく。

rb｢んー、あんまめぼしい情報はあらへんな。グルさんには申し訳ないけど、ないって連絡せな。｣

そう思い、俺は右耳にはまっているピンク色の光を放つインカムを繋げ、話しかける。

rb｢グルさん？今調べたんやけど、めぼしい情報は何もなかったで。セキュリティロック外して調べても何もあらへん。ネット伝いに調べるのは無理そうやで。恐らく向こうが何か隠蔽してる可能性が高い。他国に知られたらマズい情報があれば公にする訳があらへんからなぁ。ここはゾム達に賭ける他なさそうやで。｣

そう告げると、グルさんは一言｢御苦労｣のみ言葉を俺にかけ、インカムを切った。その後、一般人がλを旅行した時のサイトなんかを調べて分かったことは

･自然豊かであり、特に水が豊富
･他国との関係を広く持っており、貿易状況はとても良好
･λ国には最高幹部である『五大卿』と呼ばれる組織が存在しており、その者達は国民から慕われていて、国の中枢を担っている

という情報だけだった。グルさんに告げると｢良くやった｣と褒められた。もちろん嬉しかった。けど、もしそれが姉さんだったら、俺はもっと喜べたと思う。俺はふと、デスクの上に置いてある写真を手に取った。その写真は、最初で最後の家族写真。出張ばかりで家に中々帰ってこなかった父さん、足が悪い母さん、そして俺の面倒を見てくれた姉さん。全員が揃った写真。これだけは、俺の大事な大事な宝物や。だから、例え姉さんが亡くなっていたとしても、俺は姉さんの亡骸を探し出したいと思っている。

rb｢必ず見つけたるからな、姉さん。せやから、もう少し待っとってくれ。｣

俺の小さな呟きは、誰に聞かれることも無く消えていった。