平和な朝 ページ41
kn side
ソイツはそう言うと、歩いて行ってしまった。
kn「･･･部屋、入るか。」
ショッピは静かに頷くのを確認し、俺は部屋の扉を開ける。
『おはよう。コネシマ、ショッピ。昨夜は良く眠れたかしら？』
部屋の中には1人、朝食の準備をしている長がいた。
syp「いや、あんな事言われて寝れませんでしたよ。」
ショッピがそう言うと、長は小さく笑った。
『それもそうね。ごめんなさい。さぁ、朝食にしましょう。』
長は俺達を招き入れ、椅子を出してくれた。
kn「今日が長といれる最後の日かぁ。寂しくなるな。」
syp「･･･俺も不安っす。いくら先輩がいるとはいえ、他国に行くとなると怖いっす。」
俺とショッピが思っている事を言うと、長は向かい側の席に座り、口を開いた。
『不安や恐怖はあるかもしれない。でも、それを乗り越えた先には、明るく輝かしい未来が貴方達にはあるはずよ。だから怖がらないで。』
そう告げると、長は静かにいただきます。と言い、食事を始めた。俺らもそれに倣って挨拶をし、食べ始める。
kn「･･･やっぱ長の飯は美味いなぁ。ずっと食っていたいわ。」
俺がそう呟くと、長は静かにありがとう。と言った。ショッピは無心で食事にかぶりついている。
『ショッピ、そんなに焦って食べなくても、食事は逃げないわよ？』
クスクスと長が言うと、ショッピは少し顔を赤らめて言った。
syp「長の飯、最後だから沢山食べようと思って、先輩に取られないうちにさっさと食べようと思ったんす。すいません。」
そう言うショッピの頭に、長は手を伸ばす。
『ありがとう、ショッピ。』
ショッピの頭を撫でながら長が言うと、ショッピは気持ち良さそうに目を細めていた。
kn「･･･長、俺も撫でてや。ショッピばっかズルいやん。」
ほんの少し、ショッピが羨ましくなった俺は、長にそう言った。すると、長はこちらを向き、ショッピの頭を撫でながら俺の頭も撫でてくれる。
『コネシマ、もしかしてショッピに嫉妬でもしたの？』
揶揄うような口振りに、悪いか？と言うと、長は撫でる手を止めた。
syp「･･･長？」
それはショッピも同じだったらしい。
『･･･ごめんなさい。あまりにも貴方達が可愛らしいものだから。』
そう言う長に、俺とショッピは笑った。長も釣られて笑い、朝から長の部屋には3人分の笑い声が響いていた。こんなに平和な朝が、何時までも続けば良いのに、と思ったのは俺だけの秘密や。
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作者名：＊ | 作成日時：2020年9月8日 8時
