良い収穫 ページ11
zm side
建物の中に入ると、中はオレンジ色の照明で周りが淡く照らされており、家具が所狭しと並んでいる。その真ん中に、1人の女の姿があった。
zm｢あのー、すんません、ここって情報屋やんな？いくつか提供して欲しい情報があんねんけど。｣
俺が声をかけると、女はゆっくりとこちらを見る。そして、口を開いた。
｢おやおや、異国の方ですか。この国へ来た理由は存じませんが、情報の提供が私の仕事。私で良ければどんな情報でも提供致しましょう。｣
にこやかに話す女は不思議な雰囲気を纏っていた。
｢それで、どんな情報をお望みで？｣
zm｢この国の土地情報、それから軍への国からの評価について。この2つだけでええ。｣
｢成程。土地情報としては、この国の城の前に聳える門はご覧になりましたか？｣
zm｢あのやたらデカイ門やんな？見たで。｣
｢あの門の向こうにはこの国の中枢を担う者達が集まっているのはご存知かと思います。門の向こうにあるのは軍事基地、そして士官学校や訓練兵達の寮が城を囲むようにあります。あの門の向こうは成人男性の足首程まで水が張っています。｣
zm｢水？なんでそんなもん張ってんねん。｣
｢水を張ることによって門の見張りが取り逃した観光客の現在位置を音で知らせる事が出来るからです。それに、この国の自慢と言えば水ですから。｣
zm｢成程な。そんで、軍への評価はどうなんや？｣
｢国民からは絶対的な支持を得ています。理由は、この国の中枢を担う者達、すなわち『五大卿』の存在が大きいでしょう。｣
zm｢成程、その『五大卿』ってのが鍵って事か。｣
｢私からの情報は以上になります。お代は結構ですよ。どうぞλ国を楽しんでくださいね。｣
一通り情報を聞いた後、女はそう告げた。俺は申し訳なかったので少しばかり小銭を置いて建物を出た。やっぱりこの国は『五大卿』ってのが鍵らしい。良い収穫やった。あとは適当にブラブラと街をさまよっておくとするか。
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作者名：＊ | 作成日時：2020年9月8日 8時
