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異次元の片膝ホームランを放った大谷に球場はどよめきが生まれた。一番端の方でそれを眺めていた如月も思わず目を大きくする。
「……キモ」
中野「お前それ本人の前で絶対言っちゃダメだよ」
「言ってもあの人なら笑って受け流しそうだけどねぇ」
ところで打たれた才木はどうだろうか。相当悔しいだろう。あのベストボールをまんまと打たれた挙句、ホームランなのだから。
「……おっかないヒト」
中野(Aも人の事言えないけど…)
そう呟いた如月は立ち上がる。グローブ片手にブルペンへと向かう如月を見送った後、中野は小さなため息をついた。
大谷はダグアウトへ戻るとすぐさま如月の姿を探した。残念ながら如月は抑えとして登板するため、既に肩を作りにいっている。折角会話をしようと思ったのに、そう心の中で呟きながら仕方なく中野の隣に座った。
中野「……大谷さん、あのホームランやばいですね」
大谷「なんか観客イマイチ盛り上がってないけどね」
山田「ちゃうねん、皆ドン引きしてんねん」
中野「確かに……」
大谷「何それ失礼な。Aなんか言ってた？」
思わず中野は背後にいる山田に目線を向けた。先ほどの会話をちゃっかり聞いていた山田は、目をパチパチとさせて頷く。
山田「キモって言ってたで」
中野「あ、アイツなりの褒め言葉ですからね！」
中野の咄嗟のフォローに、大谷はAらしいやと呟いて笑う。
山田「俺からしたら如月もヤバいし意味わからへんけどな」
中野「……それはそうですね。大谷さんの事おっかない人って言ってましたけど、俺からしたらAもおっかないし…」
山田「いやホンマに」
大谷「やっぱAって凄い選手なんだね」
山田「……出来る事なら対戦したくないわ。投手としてもアイツの投げる球は打ちづらいし、かと言って打者で出てこられてもばんばん打つし…。ホンマどーなってんのおたくの選手」
中野「自慢のチームメイトですよ、Aは」
大谷「……こっちに勧誘しちゃおうかな、Aの事」
中野「え"っ、いくら大谷さんでも譲れませんよ」
大谷「まぁ冗談だけどね」
全く冗談に見えない大谷は小さな笑みを浮かべて足を組む。自分と同じ二刀流、如月の腕前をこの目できちんと見ておきたいのだ。
大谷(Aはもっと大きな舞台で活躍すべき選手だからね＿＿)
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キョンシー(プロフ) - 更新楽しみにしてます！ (12月19日 8時) (
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