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13時間余りの飛行機移動を経て、日本時間午前3時頃に到着した侍ジャパン。もう後戻りが出来ないところまでやってきた。こんなところでは負けてられない。
初の全体練習では、打者としての活躍が期待される大谷が如月とヌートバーと共にバッティング練習を行っていた。
「……大谷さん」
如月から話しかけられた事が嬉しくて顔を綻ばせる大谷。どうしたの?そう問いかけつつ詰め寄れば、如月は一歩下がりヌートバーの方へと体を寄せた。
「……サンドバル選手って、どんな選手ですかぁ?」
大谷「俺の友達」
「真面目な話してるんですけど」
キッと睨みつけるが大谷はどこ吹く風と言った様子でケラケラ笑う。この人には緊張感というものが存在しないだろうか。大谷に聞いた自分がバカだった、そう心の中で嘆いてため息を吐く。
大谷「Aはどう思ってる?」
「……簡潔に言えば、今永さんの上位互換だと思ってます」
ストレートの平均は150キロ。球種は多彩で、スライダー、シンカー、チェンジアップを得意としている。勿論カーブも一級品だ。
「それに左打者からしたら厄介ですよね、あの人」
大谷「…そうだね」
ヌートバー「"チェンジアップが少し沈むように変化するから、僕たち左打者からしたら打ちにくいんだ"」
「"でも俺は右打だよ"」
ヌートバー「"Aにはとても期待してるさ"」
大谷「あと制球力が高い。ただストライクゾーンに投げるだけじゃなくて、コーナーを狙ったり、ボールとストライクの境界を攻めたりするやらしい奴だよ」
「多分サンドバルさんも同じことをチームメイトに教えてるんじゃないですかねぇ」
大谷「ははっ、どーかな」
「ま、どーであれ勝ちましょうね。じゃないと大谷さんはアリゾナに戻るハメになりますもんね」
負ければ大谷はエンゼルスのキャンプ地アリゾナへ戻る事になる。それを皮肉っぽく言った如月に、思わず大谷は苦虫を潰したような顔をした。
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キョンシー(プロフ) - 更新楽しみにしてます! (12月19日 8時) (レス) @page3 id: 84d2022181 (このIDを非表示/違反報告)
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