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4回表、順調にピッチングを見せていた大谷だったが、2番バッターに5球目の球速をレフト前に運ばれ初めてのヒットを許した。言わんこっちゃない、そう言いがちに如月は目を伏せる。



(ま、あの人の事だし大丈夫だろ)



如月の言う通り、大谷は落ち着いたピッチングを見せこの回も無失点に抑えた。自分だったらこの球種を投げる、もっとインコースに投げると考えつつも、如月は立ち上がる。


意気揚々とやってくる大谷から逃げるようにわざわざ席を移動させたが、大谷は如月の後ろを追いかけた。



大谷「A」

「…はい」

大谷「逃げないでよ」

「逃げてませんけど」

大谷「明らかに俺の事避けてるじゃん」

「試合に集中したいんで」



くだらない嘘をつく。そっか、と小さく呟いた大谷は如月の隣に座った。再び席を移動させようか悩んだが、面倒になった如月はそのまま試合を観戦する。今まさに試合はヌートバーがファーストのエラーで出塁したところだった。



「ほら、もうすぐアンタの番ですよ」

大谷「俺、ホームラン打ってくるわ」

「……俺は打てないに100円賭けます」

大谷「じゃあホームラン打ったら100円ちょうだい」



ポンと頭を撫でて大谷は立ち上がる。同じ二刀流にも関わらず遠いその後ろ姿に、如月はなんだか虚しくなった。



大谷の打席。レフト方向に飛んだ高い打球に如月は唇を噛んだ。だがその打球はフェンスに直撃し、惜しくもホームランでは無かった。どこか安堵しながら息を吐く。



戸郷「…如月さん」



突然声をかけられ、如月は僅かに目を開けて声の主を見た。如月を見下ろす戸郷は、どこか緊張した様子だ。



「……そんなところに立ってどうしたの」

戸郷「俺、次登板なんです」

「へぇ。それで?」

戸郷「……頑張れ、って言って欲しいです」

「……俺に?」



不思議な事を言う子だ。そう思いつつも如月は口を開いた。



「……おきばりやす」

戸郷「…それは頑張れって意味ですよね?」

「ん。戸郷なら大丈夫でしょ。自信持って行ってきな」



分かりやすいほど顔色が明るくなる。戸郷は気合を入れて如月の元を去って行った。








戸郷「如月さんに頑張ってって言われました」

大勢「え、まじ?何事?」

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キョンシー(プロフ) - 更新楽しみにしてます! (12月19日 8時) (レス) @page3 id: 84d2022181 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名: | 作者ホームページ:http  
作成日時:2023年12月18日 18時

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